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モノと道具を再構築する

2014.11.25

もらった人が3倍うれしいプレゼント術

米山 公啓

脳に学ぶ経営戦略

コミュニケーション 感情

プレゼントのシーズンだ。脳科学の見地から説明すると、プレゼントは脳の報酬系と関係している。脳の報酬系は快感を作り出す非常に重要な場所であり、何かをもらってうれしいと感じるとドーパミンが出て、その感覚を作り出す。その快感の記憶こそが、その後から期待感にもなる。

子供のときにもらったクリスマスプレゼントを思い出せば、胸を躍らせてクリスマスを迎えたころの感覚がよみがえるのではないだろうか。

それはプレゼントをもらったときの快感が非常に強烈な記憶になっているからだ。しかし、同じプレゼントでもただ渡せばいいということではない。そこには脳の科学を利用したプレゼント術が存在する。それは仕事にも応用できるものだ。

渡し方のコツを脳科学から提案してみよう。

1. 相手を喜ばす二段構え

相手にドーパミンをたくさん出させるコツは、先にがっかりさせることだ。いったんがっかりしてから喜ばせると、よりドーパミンが分泌されて、うれしさが増す。

つまりプレゼントは二つ用意する。最初は相手がちょっとがっかりするようなプレゼントを。しばらくしてから「実はもう一つあるんだけど……」と言いながら本命のプレゼントを渡す。

これはスティーブ・ジョブズも使っていたやり方だ。脳科学的に効果的な手段なのだ。こういった手法は映画などにも使われていて、「こんな単純な結末なんだ」と思わせておいて意外な最後を用意する。ビジネスにも応用できるはずだ。

2. 相手の期待を裏切るタイミング

クリスマス・イブにプレゼントは当たり前で、相手もある程度想定している。だから、そんなときに普通のタイミングでもらっても喜びは少ない。もちろん相手の期待を全く裏切ってしまうとひんしゅくを買ってしまう。だから前述のような二段構えで、期待通りのタイミングでちょっと渡しておき、帰り際に本命を渡すという時間差攻撃のような渡し方をすると、さらに想定外の喜びになる。

脳には慣れが生じやすく、バレンタインでいろんな人からチョコレートをもらえば、次第にうれしくなくなってしまう。その脳の慣れと予測を裏切ってこそ、効率のいいプレゼントということになる。

新車発表でベールに包まれたところから新車が出てくるのは当たり前である。ベールを取ってもそこに新車はなく、天井から現れれば驚きと感動を作れるはずだ。相手の期待と想定を心地よく裏切ることも非常に重要なのだ。

3. 相手自身が欲しいと気付いていないものを探す

これは相手との人間関係ができていて、趣味や人格をよく理解していないとできないことだ。

相手の趣味が古いブリキのおもちゃを集めることなら、そのことを頭に入れておいて、旅先で相手が喜びそうなブリキのおもちゃを買っておき、誕生日や何かの記念日に渡せば最高のプレゼントになる。

自分の趣味を知っていてくれたことに加え、こんなブリキのおもちゃがあるんだと想像もしていない物であればあるほど、本人の喜びも大きい。

そのためには自分が様々な情報を持っていなければいけない。つまりプレゼント探しに自分の時間を費やすこと、それが相手にも伝われば、プレゼント以上の効果をもたらすはずだ。

高価なものを買って渡すだけがプレゼントではない。脳科学に基づいたプレゼント術を学ぶべきだろう。

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プロフィール

米山 公啓 (よねやま きみひろ)

1952年山梨県生まれ。作家、神経内科医。元聖マリアンナ医科大学第2内科助教授。現在までに280冊以上を上梓。講演会、テレビ・ラジオ出演、テレビ番組企画・監修なども行う。日本老年学会評議員、日本脳卒中学会評議員、日本ブレインヘルス協会理事。