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モノと道具を再構築する

2014.10.08

iPhoneに感じる、トップシェアを取るための単純なこと

伊嶋 謙二

ホンネのITマネジメント

競争 IT 意識改革

自分の好きなことを仕事にして、しかも成功を収めることは理想的な人生だと思う。ふと自分も起業して好きなことをしているが、大成功かどうかとは程遠い。そういう意味で究極の成功を収めた人と言えば、スティーブ・ジョブズだろう。なんせ彼は、自分の生活や信条を突き詰めたもの作りによって、アップルを生み、iPhoneを生み出した。

筆者が尊敬する起業家から言われた言葉に、「ルールを作る側が最も強い」という格言がある。市場が形成される過程において成功を収め、トップシェアを取ることができるメーカーは、自ら何がしかのルールを作り上げ、業界に浸透させながら製品を市場に送り込む。アップルにしても、iTunes Storeによるエコシステム等、強固に築き上げられた仕組みによって今のiPhoneがある。一度構築できれば、しばらくは黙っていても製品が売れ続ける。こんなに楽な状況はない。

ただし、果たして初めから儲けることだけを考えてこの仕組み作りをしているかと言えば、そうではないだろう。自分の生活を充実させるため、楽しくするためには何をすれば良いか。常に音楽を聴いていたい、自分の考えや経験を記録したい、いろんな情報を皆と共有したい、それらを突き詰めて考えて、何が最も良い方法であり、どんなツールであるのか。iPhoneは、そんな思いの究極の結論として形作られている。

現在、iPhone 6が市場に投入されて、それなりのにぎやかさを醸し出している。アップルのファン、およびiPhoneのファンが、相変わらずアップルストアの前に徹夜で並ぶという光景が見られた。しかし、かつてほどの熱気はない。それはスマートフォンを利用するのが日常化し、他のベンダーやキャリアも同様の製品、サービスを揃えて、もはやスペック勝負になっているからだろう。

トップシェアを取るということは、強いこだわりをもって突き進み続けたことで生まれる結果だ。それが企業の特徴となり、付加価値になると言えるのかもしれない。独占的なメーカーシェアは、意外に単純な背景から生まれることが多い。さて、国内のメーカーはどうか。期待したいところだ。

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プロフィール

伊嶋 謙二 (いしま けんじ)

1956年秋田生まれ。矢野経済研究所でのIT産業の調査・研究業務に従事した後、1998年にIT調査会社ノークリサーチを設立し、代表取締役社長に就任。現在に至る。中堅・中小企業(SMB)市場のIT調査を得意とし、SMBのIT利用実態に詳しい。様々な関連業界誌で積極的な執筆も展開中。