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カネを活かす

2014.06.17

借上げ社宅の制度を使った大幅節税・自己負担分は20%以下で!(2)

樋口 秀夫

事業主さんのための攻めの節税

原則 会計 ノウハウ 給与 制度 オーナー 節税

使用人に貸与する場合、役員に小規模住宅を貸与する場合の負担率は?

前回の続きです。役員が小規模ではない住宅の貸与を受けた場合には、50%を徴収していれば給与課税される可能性はないわけですが((2)-ロ)、使用人に貸与する場合、役員に貸与する場合で小規模な場合の賃貸料相当額((1)の算式で計算)がどのくらいになり、通常の支払家賃に対する負担率がどのくらいに計算されるかということです。

所得税基本通達36-45においても、「住宅が年の中途で新築された家屋等の場合は、まだ固定資産税評価額が定められていない場合、その住宅等と状況の類似する住宅等に係る固定資産税の課税標準額に比準する価額を基として計算します」と規定されていますので、仮に家主に固定資産税評価証明の提示を拒まれたとしても、その住宅等と状況の類似する住宅等のデータを使用して計算することが可能といえるでしょう。

東京都内、神奈川県を中心として20程度の物件をサンプルとして、上記算式に当てはめて計算したところ、負担率は低いところで9.5%、高いところで18.7%という計算結果がでました。この数値の傾向としては、地方と都心を比べると都心ほど高い傾向に、また建物の築年数の比較ですと新しい住宅ほど高い傾向が出るようです。

借上社宅の自己負担率を20%として節税のケース

この制度を、従業員にではなく同族会社の役員に対する所得税、法人税、地方税を含めたトータルの節税としてとらえるとどうなるでしょうか。

50%徴収の場合20%徴収の場合20%徴収で
給与を下げた場合
給 与 総 額1,000,000円1,000,000円840,000円
源泉税等控除額275,335円275,335円218,987円
家 賃 負 担 額100,000円40,000円40,000円
手  取  額624,665円682,665円581,013円
企 業 負 担 額100,000円160,000円0円
法人税等減額42,000円67,200円0円

(1)給与を下げて所得税を節税
上の表で3列目の例ですが、会社の負担額について、給料を16万円下げつつ家賃を16万円(自己負担4万)負担することによって費用間でプラス・マイナスはゼロになります。一方、個人の負担額は源泉所得税、社会保険料、住民税を合わせ月額で約5万6000円減少し、年間で約67万2000円負担が減ったことになり、大幅な節税ができました。

(2)給与はそのままで法人税を節税
上の表で2列目の例ですが、給与をそのまま据え置きますと、個人の手取は16万円増え、法人の負担額16万円と通算すると個人、法人間の負担額の合計は変わりません。一方、法人税の負担は約80万6000円減と大幅に節税されます。

どちらにしても、個人、法人を通算しての持ち出しはゼロで、大きな節税効果を得ることができました。個人の給料額がより高い場合、累進税率によりさらなる効果を得ることができます。

借上社宅制度を利用して、従業員の定着率の向上を図るとともに、さらなる節税につなげてはいかがでしょうか。

Image (c) beeboys - Fotolia.com

プロフィール

樋口 秀夫 (ひぐち ひでお)

IAU税理士法人・樋口事務所所長。1952年東京都生まれ、立教大学経済学部経済学科卒。1982年税理士試験合格、1985年6月税理士事務所開業。税理士は税務における納税者の弁護人であるという理念に基づいた業務内容に特徴があり、多種多様な業種のクライアント多数。