• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

カネを活かす

2014.06.12

中小企業投資促進税制の拡充も!得する平成26年度税制改正まとめ

樋口 秀夫

事業主さんのための攻めの節税

制度 オーナー 会計 節税 株式 消費税 ノウハウ

平成26年税制改正は「現下の経済情勢等を踏まえ、デフレ脱却・経済再生にむけ、『消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応』において決定した投資減税措置等や所得拡大促進税制の拡充に加え、復興特別法人税の1年前倒しでの廃止、民間投資と消費の拡大、地域経済の活性化等のための税制上の措置を講ずる。」とされ、消費税以外の所得課税、法人課税についても所要の改正が行われています。

(1)法人課税

復興特別法人税の1年前倒し廃止が決定されました。この廃止で、平成26年4月より、法人税の税率は中小法人等で800万円以下16.5%から15%、中小法人以外の普通法人で28.05%から25.5%へと低下します。

●企業の交際費について、飲食のための支出の50%が損金算入可能となりました。中小法人については、800万円までの全額損金算入との選択適用となります。

●所得拡大促進税制について適用期限が2年間延長されました。また、要件の一つとされていた雇用者給与等支給増加割合(現行5%以上)について、平成25・26年度は2%以上、平成27年度は3%以上、平成28・29年度は5%以上とする等の見直しが行われます。これらの要件をクリアーした場合、給与等支給増加額の10%を税額控除(法人税額の10%(中小企業等は20%)を限度)できます。

●民間投資の活性化、産業の新陳代謝の促進((a)から(c)までは所得税も同様)
(a)生産性向上設備投資促進税制の創設
生産性の向上につながる設備投資を行った場合に、即時償却又は5%もしくは3%の税額控除ができる税制措置が創設されました。

(b)中小企業投資促進税制の拡充・延長
中小企業者等が特定機械装置等の取得等をした場合には、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除(資本金3000万円以下の法人のみ、1年繰越可)ができる現行制度の適用期限が3年延長され、特定機械装置等のうち、生産性の向上につながる設備等の取得等の取得又は製作をした場合には、即時償却又は7%税額控除(資本金3000万円以下の法人は10%)ができる措置が追加されました。

(c)研究開発税制の拡充・延長
平成25年度末に期限切れとなる試験研究費の上乗せ措置(増加型・高水準型)について適用期限を3年間延長するとともに、増価型の措置について、試験研究費の増加割合に応じて税額控除割合を引き上げる仕組みに改組されました(税額控除割合5%→5%~30%)。

(d)既存建築物の耐震改修投資促進税制の創設
耐震改修促進法の耐震診断結果の報告を行った事業者が、耐震改修対象建築物の耐震改修を行った場合に25%特別償却できる制度が創設されました。

●ベンチャー投資促進税制の創設
産業競争力強化法の施行日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に、国内法人が同法に基づき計画の認定を受けたベンチャーファンド(投資事業有限責任組合)を通じて事業拡張期にあるベンチャー企業等へ出資した場合は、その出資に係る損失に備える準備金について損金算入を可能とする制度が創設されました(ベンチャー企業等への出資金の80%損金算入)。

●事業再編促進税制の創設
産業競争力強化法の施行日から平成29年3月31日までの間に、同法に基づく計画の認定を受けて複数企業間で経営資源の融合による事業再編を行う場合には、その事業再編による特定会社に対する出資金・貸付金の損失に備える準備金について損金算入を可能とする制度が創設されました(出資金・貸付金の70%損金算入)。

●同族会社の発行する私募債の課税方法が総合課税に変更
平成27年12月31日以前に発行された公社債の範囲から、その発行の際に同族会社に該当する会社が発行した社債が除外されました。これにより、平成28年1月1日以後に支払いを受けるものは申告分離から総合課税の対象に含めることとされました。
(注)同族会社が平成27年12月31日以前に発行した特定公社債以外の公社債の利子でその同族会社の判定の基礎となった株主等が支払を受けるものは、総合課税の対象とすることとされました。

(2)印紙税の改正

印紙税法の一部が改正され、平成26年4月1日以降に作成される「金銭又は有価証券の受取書」に係る印紙税の非課税範囲が拡大されました。

現在、「金銭又は有価証券の受取書」については、記載された受取金額が3万円未満のものが非課税とされていますが、平成26年4月1日以降に作成されるものについては、受取金額が5万円未満のものについて非課税とされることとなりました。

(3)消費税関係

●消費税率の引上げ
平成26年4月1日から消費税率が8%に引き上げられました。また、平成27年10月から消費税率を10%に引き上げることが、税制抜本改革法に定められていますが、同法附則第18条第2項により、改めて経済状況等を総合的に勘案した検討が行われます。

●外国旅行者向け消費税免税制度の見直し
外国人旅行者向け消費税免税制度について、免税対象を現行の家電・バッグ・衣料品等から飲食料品や化粧品等の消耗品へ拡大し、併せて購入記録票等の様式の弾力化及び手続の簡素化を行われます。

●簡易課税制度のみなし仕入率の見直し
平成27年4月1日以後開始する事業年度から、簡易課税制度のみなし仕入率について、金融業及び保険業を第4種事業(60%)から第5種事業(50%)、不動産業を第5種事業(50%)から第6種事業(40%)に見直しがされました。

(4)個人所得課税

●給与書所得控除の見直し
給与所得控除の上限額が適用される給与収入1500万円(控除額245万円)を、平成28年分は1200万円(控除額230万円)に、平成29年分以後は1000万円(控除額220万円)に引き下げられます。

●NISAの利便性向上のための見直しNISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)について、1年単位でNISA口座を開設する金融機関の変更を可能にするとともに、NISA口座を廃止した場合にNISA口座の再開設を可能にします。

主な改正点は以上のとおりです。特に、法人税関係で投資、雇用と幅広く減税政策が施行されますので、適用要件等を確認して、積極的に経営に役立ててください。

Image (c) apops - Fotolia.com

プロフィール

樋口 秀夫 (ひぐち ひでお)

IAU税理士法人・樋口事務所所長。1952年東京都生まれ、立教大学経済学部経済学科卒。1982年税理士試験合格、1985年6月税理士事務所開業。税理士は税務における納税者の弁護人であるという理念に基づいた業務内容に特徴があり、多種多様な業種のクライアント多数。