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カネを活かす

2014.04.30

新設新規設立法人の消費税免税点制度の不適用制度の創設

樋口 秀夫

事業主さんのための攻めの節税

オーナー 会計 増税 危機管理 消費税 設立 制度

法人を新規設立した場合には基準期間が存在しないこととなるため、設立から2年間は納税義務が免除されることになります。この免税業者となるか否かを判定する基準期間における課税売上高とは、個人事業者の場合は原則として前々年の課税売上高のことをいい、法人の場合は原則として前々事業年度の課税売上高のことをいいます。

消費税導入時、納税義務が免除される基準期間における課税売上高の上限額は3000万円に設定されていました。そして、税制改正に伴って制度は以下のように変わって行きました。

1.平成9年度税制改正 資本金1000万円以上の法人は1期目から課税業者
平成9年度税制改正において、その事業年度の開始の日における資本金の額又は出資の金額が、資本金1000万円以上の法人については、納税義務が免除されないこととなりました。従って、資本金1000万円以上で法人を設立した場合、設立1期目から納税義務が発生することとなりました。

2.平成16年度税制改正 基準期間における課税売上高の上限が1000万円に引き下げ
平成16年度税制改正において、平成16年4月1日以後に開始する課税期間から、納税義務が免除される基準期間における課税売上高の上限が3000万円から1000万円に引き下げられました。これは、国際比較で高いとされていた免税点を下げることにより、事業者に対する消費税の益税批判にこたえる形で改正が行われました。

3.平成25年度税制改正 特定期間の売上等が1000万円を超えると2期目から課税業者
更に平成25年に改正が行われます。平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度については、その課税期間の基準期間における課税売上高が1000万円以下であっても、特定期間(個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6カ月の期間)における課税売上高が1000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となります。
なお、特定期間における1000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。つまり、法人を設立した1期目において、特定期間の課税売上高か給与支払額の合計額の一方が1000万円を超えた場合、設立2期目から納税義務が発生することとなりました。

4.平成26年税制改正 特定新規設立法人の納税義務の免除の特例
本年度の改正により、平成26年4月1日以後に設立される新規設立法人(基準期間がない資本金1000万円未満の法人)のうち、事業年度開始の日において他の者により株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合(特定要件)で、当該他の者及びその特殊関係にある法人のうちいずれかの者の課税売上高が5億円を超える場合には、当該新設法人の基準年度のない事業年度については、納税義務が免除されないこととなりました。

納税免除されない場合

特定要件の内容については以下のとおりです。
イ.他の者により50%超の株式等を直接又は間接に保有される
ロ.他の者及び当該他の者と特殊関係にある法人等(下記参照)を合わせて50%超の株式等を直接又は間接に保有される
また、法人だけでなく次のようなケースも含まれます。
・他の者の親族等(六親等等の親族・特殊関係人等を含む)
・他の者(親族等を含む)が他の法人を完全に支配(直接・間接)している場合の他の法人

納税免除されない特定要件

この改正の理由として、大企業が設立した新設法人等であっても資本金が1000万円未満であれば納税義務が免除されるため、一部の企業で子法人の設立と解散を繰り返すことにより消費税を免れるような租税回避が行われていたことから、その防止などがあるようです。今回の改正は、一般的な法人の新規設立にはあまり影響がないようです。

Image (c) joel_420 - Fotolia.com

プロフィール

樋口 秀夫 (ひぐち ひでお)

IAU税理士法人・樋口事務所所長。1952年東京都生まれ、立教大学経済学部経済学科卒。1982年税理士試験合格、1985年6月税理士事務所開業。税理士は税務における納税者の弁護人であるという理念に基づいた業務内容に特徴があり、多種多様な業種のクライアント多数。