トップページインタビューアクティブに生きることを、自ら選んだ。 重要なのは、復職後に続いていく 仕事や人生にいかに立ち向かうかだ。第2回(連載2回)
Good Doctor NET AGING Web 宇治おうばく病院 うつ病~こころとからだ 話してみよう うつの痛み うつ病・認知症コンソーシアム 冊子バナー 特別協賛:シオノギ製薬 ココ朗くん

アクティブに生きることを、自ら選んだ。 重要なのは、復職後に続いていく 仕事や人生にいかに立ち向かうかだ。第2回(連載2回)

2014.06.10   書籍『「うつ」とよりそう仕事術』著者 酒井一太 氏

酒井一太(さかい・かずもと)氏
酒井一太(さかい・かずもと)氏
1975 年、大阪府生まれ。2007年8 月にうつ病と診断される。その後、2 度の休職・復職を繰り返し、自らの復職体験を公開したブログをベースにした著書『「うつ」とよりそう仕事術』 を 2011年12月発刊。現在は寛解。著書執筆後に転職し、営業職として商社に勤務中
■ブログ「Find the meaning of my life.」http://kazumoto.jp

現在は、うつ病から寛解し、薬を飲むこともなく、元気に生活している酒井一太さん。2度にわたる休職中に、復職後に仕事をしていくための独自の工夫をブログに公開。このブログは、2011年に『「うつ」とよりそう仕事術』として書籍化され、注目を集めた。

酒井さんがうつ病という病を患いつつも、仕事をしていくための工夫の必要性に、どのように 気づいていったのか、そのプロセスを辿った。
(構成:21世紀医療フォーラム取材班 但本結子 文責:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也)

復職後にしっかり仕事をする。
そのための独自の工夫を仕事術としてブログで公開

肝心なのは復職することではなく、復職後、しっかり働き続けていくための方法だと気づいた酒井さん。次に復職できたら、もう2度と落ちたくない。そのためにどうすればよいのか。

「自分は普通に仕事をしたいだけなのに、それができない。病気というハンディを背負ってしまったのだから、今までのやり方ではだめで、考え方を変えなければいけない。そのために新しい“武器”が必要だと思いました」。

酒井さんの言う武器を言い換えれば、復職後に仕事をしていくための“工夫”である。そこで、そのヒントを得ようと、徹底的に情報収集を始めた。うつ病の本から働き方や仕事術に関する本、古典的な名著に平積みの新刊、さらにはネットに至るまで、手当たり次第に読んでいった。だが、どの本もどのサイトも、復職するまでのノウハウは細かく記されていても、復職後にどうすればいいのかを詳しく書いたものがなかった。

ないなら自分で考えるしかない。酒井さんはそう決めて、本やサイトで公開されている仕事のテクニックをベースに、うつ病の人にどう応用できるかを自分なりに考え、試行錯誤しながら実践していった。

朝起きて、なんとか職場まで行ったら、できる限りの仕事をして無事に家に帰ってくる。酒井さんが実践したのは、たったそれだけのことをするための工夫だ。健康な状態であれば、誰もができて当然だと思うだろう。

「でも、ただそれだけのことが、うつ病の人にはとても大変なんです。だから、自分なりに工夫していることをブログで発信しました。書くことで自分の頭の中が整理できるし、同じような悩みを抱える人たちの参考になればいいなとも思いました」。

ブログは大反響。編集者の目にとまって人生初の書籍を出版

このブログは多くの人に読まれ、中でも編集者の目にとまったことで出版につながっていく。酒井さんがこの依頼を引き受けたのは、こうすればうつ病は治るといった企画ではなかったためだ。治療を続けながら、なんとか復職した自分が、日々どんなことを心がけて仕事をしているのか、出版社の意図に共感し執筆を決めた。

執筆に当たっては、体調に波があり、翌日も同じように書けるとは限らなかったため、会社から帰宅後、できる時は4時間ほど集中して書き続けた。時には睡眠時間を削ることもあったが、会社の業務に差し支えることはなく、執筆中を思い起こして酒井さんは、「当時の勤務先に怒られそうですが、本業よりも楽しかった」と笑う。

ブログ「Find the meaning of my life.」
ブログ「Find the meaning of my life.」http://kazumoto.jp