トップページリワーク医療機関に聞く「復職するのはあなた」を合言葉に、休職者、事業主、主治医の三者をコーディネート
第1回(2回連載)
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「復職するのはあなた」を合言葉に、休職者、事業主、主治医の三者をコーディネート
第1回(2回連載)

2014.03.25   構成:21世紀医療フォーラム取材班 但本結子
文責:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也

東京障害者職業センターのみなさん
東京障害者職業センターのみなさん

高齢・障害・求職者雇用支援機構では、全国の地域障害者職業センターでリワーク支援を展開している。同センターでは、復職を目指す休職者、事業主、主治医の三者のコーディネートを重視し、企業からの依頼も増加している。 連載2回の1回目は、リワーク・プログラムの目的や特徴について、東京障害者職業センターに話を聞いた。
(構成:21世紀医療フォーラム取材班 但本結子 文責:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也)

本人と企業の双方の課題と解決法を提案し
プランを実行させる

高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する全国の地域障害者職業センターでは、2006年10月からリワーク支援がスタートしている。同年に改正された障害者雇用促進法を踏まえ、精神障害者の雇用を予定している、または雇用する事業主に対し、主治医と連携しながら「雇用促進」「職場復帰」「雇用継続」の専門的支援を行うが、その1つが職場復帰支援(以下リワーク支援)である。

このリワーク支援の原型は、同機構の障害者職業総合センター職業センターが試行し、開発した技法である。大きな特徴として、休職者、事業主、主治医の三者をコーディネートすることに重点を置いている。障害者職業カウンセラーの1人は、「私たちは、本人、企業の双方にとって役立つ存在になるよう、バランス感覚に気をつけながら取り組んでいます」と、その役割について説明する。

リワーク支援に関わるのは、主に障害職業カウンセラーとリワークアシスタントだが、東京のように利用が多いセンターでは、リワークカウンセラーという専属職員が配置されている。

コーディネートをするに当たって、彼らには2つの役割がある。まず1つ目は、主治医の医学的な視点を踏まえ、本人や企業との面談を通して得た情報を整理・分析し課題を明確にする。そしてここで浮かび上がった課題を解決する方策について提案を行う。このプランがうまく実行できるかどうかは、関わる全ての人の合意が不可欠で、一連の流れの中でコーディネートを行う。

2つ目は合意されたプランの実行である。プランを進める過程で進捗状況をタイムリーに把握し、問題や効果を分析して必要な対処をする。時に企業が感じている効果と、本人が目標とする内容に齟齬を生じることがある。また主治医として望ましくない状況になることもある。それらを早期に把握し、調整・改善していくことで最終到達目標に近づけていく。

リワークカウンセラーは、「三者の視点をプログラムに反映していくことが、他機関とは大きく異なる点です」と強調する。

本人には主体的に動くこと。
企業には復職の判断要素を、それぞれアドバイス

もう1つリワークカウンセラーの役割を付け加えると、「職場復帰に当たって主体的に動くのは本人であり、そのためのサポートをすること」である。

例えば復帰後の職場環境が心配だが、それを職場にうまく伝えられないという人に対して、本人に代わってリワークカウンセラーが企業に伝えるのではなく、思っていることはきちんと伝えるようにと本人を促し、どのように伝えるかをアドバイスする。また、できたことをアピールするのも本人であり、その根拠となる生活リズム表などの報告方法についても、リワークカウンセラーがアドバイスしている。

一方、企業に対しては、本人に連絡する際に聞くべきことや復職判断の際に生活リズムを確認するなど、復職を検討するためのポイントを助言する。

復職後は本人が全て対応することになるため、プログラムは復職するためにできることを増やすのではなく、復職後の対処法を覚えることなどが中心となる。「″復職するのはあなた?が合言葉です」と、リワークカウンセラーは言う。何事も選択して実行するのは本人で、リワークカウンセラーはそれを達成できるよう支援する。プログラムでは、あなたはどう考えていますかと問う場面が多くあるが、復職のための取り組みを、自ら進めていく大切さを実感することで、復職につながっていくと考えている。