トップページリワーク医療機関に聞く失敗の経験から生み出した独自のリワーク・プログラム 第2回(2回連載)
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失敗の経験から生み出した独自のリワーク・プログラム 第2回(2回連載)

2014.03.04   構成:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子
文責:日経BP社21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也

五十嵐良雄 氏
メディカルケア虎ノ門 院長
五十嵐良雄 氏
1976 年 北海道大学医学部卒業。1976 年 埼玉医科大学精神医学教室助手。1984-85 年 イタリア・ミラノ大学、オランダ・ユトレヒト大学留学を経て1988 年 秩父中央病院理事長院長。2003年 メディカルケア虎ノ門院長。2008 年 うつ病リワーク研究会代表世話人[公 職]日本うつ病学会評議員 日本産業精神保健学会理事 日本外来臨床精神医学会常務理事 など

メディカルケア虎ノ門は、2005年に日本で初めてうつ病を対象とした終日型リワーク・プログラム「リワーク・カレッジ®」を始めた先駆的な医療機関である。 連載2回の第W回目は、復職のタイミングや課題、リワーク・プログラムの内容と成果、課題などについて、同クリニック院長の五十嵐良雄氏にお話を伺った。
(構成:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子 文責:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也)

多職種スタッフが支援。リワーク・スクールで途中脱落を防止

規則正しく生活リズムが整い図書館に週5日くらい行けるようになったら、リワーク・プログラムを開始する。患者はまずリワーク・スクールと呼ばれる初期の復職デイケアのプログラムに参加する。これを週2日から始めて週3日まで、徐々に出席日数を増やしていく。

このリワーク・スクールのプログラムは、火・木曜のレベル1は「オフィスワーク」「卓球」「頭と体のストレッチ」。月・水・金曜のレベル2は、これに「セルフケア」が加わった構成である。そしてレベル3となると、水曜にナイトケアが加わる。

オフィスワークでは五十嵐氏が作成した読本を使い、気分障害の原因や治療法、リハビリの必要性などについて勉強し、病気を理解する。また自分が病気になり休職に至った経緯を振り返るレポートを書かせる。

頭と体のストレッチではゲームなどを通じて集団になじみ、ヨガや呼吸法などリラクセーションを通じて集中力を高め、自律神経のバランスを整える。ダーツやカードゲームで頭を使いながら、集団で過ごす楽しさを取り戻していく。また卓球では、ダブルスを組んで仲間と助け合うことや、役割分担やルールなどを身につける。

さらに、セルフケアでは、自分の症状や考え方の癖などを理解するための心理教育を行い、講義やディスカッションを行う。

自己分析で自分の課題を把握。
内的要因を知ることで、対処の仕方を変えられる

リワーク・スクールの段階で極めて重要なことは、「なぜ、休職しなければならなかったのか」を自分で考えて自分で文章にすることだ。

五十嵐氏によれば、「この自己分析をすることで、職場などの外的な要因ばかりではなく、自分側の要因に気づくことが重要です」という。

なぜなら外的要因は自分の都合では変えようのないものが多いが、内的要因は憂うつな気分が出てくる根源となっていることが多く、自分で対処することが可能なためだ。

また自分自身がなぜ病気になって休んだかがわからなければ、薬も飲まなくなる。しっかり薬を服用するためにも、休職した理由を理解することが大切である。同時に自己分析で自らの課題に気づくことができれば症状も良くなり、良い循環が形成される。

こうした週3日のプログラムは、早い人の場合、約2カ月で終了するが、ここで足踏みする人や途中でスクールに来られなくなり脱落する人もいるという。