トップページコラム「若者のうつ病」を考える人はそれぞれ違うと認識する
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人はそれぞれ違うと認識する

2014.01.28   帝京大学医学部附属溝口病院精神神経科科長・教授 張 賢徳

帝京大学医学部附属溝口病院精神神経科科長・教授 張 賢徳氏
1991年 東京大学医学部医学科卒業後、帝京大学医学部精神科学教室入局。1997年 英国ケンブリッジ大学精神医学博士号取得。同年、帝京大学医学部附属市原病院精神神経科講師。1999年 帝京大学医学部附属溝口病院精神神経科科長・講師、2004年 同科長・助教授。2008年より現職。
■公職/日本自殺予防学会常務理事 日本臨床死生学評議委員 日本うつ病学会評議員 日本外来精神医療学会常任理事 日本精神衛生会機関誌「心と社会」編集委員長 多文化間精神医学会理事

うつ病治療やこれを取り巻く社会環境など、多くの問題や課題があり、それについては、このコラムの最初にも述べてきました。5回目は、今一度、社会のあり方について考えてみたいと思います。

行き過ぎた平等ではなく
多様な価値観を認める

日本は欧米ほど価値観や文化の多様性がないため、うつ病になってしまった人にはとても厳しい社会です。世代や男女、会社ごとに定番があり、そこに至らない自分を認められずにうつ病になってしまう。本当はもっと別の生き方や価値観があるのだから、そちらを選んでもいいのにどうしてもそれができない。そうした考え方を少し変えるだけでも、うつ病になりにくいのではないかと思います。

多様な価値観を育てるには、子どもの頃の教育も大切です。運動会のかけっこで順位をつけないことが話題になった時期がありましたが、必要なのは行きすぎた平等ではなく、それぞれができないことがあることを認めた上でお互いを支え合うことです。

また、日本は同質であることを極端なまでに求める社会ですが、人はそれぞれ違うことを理解しておくことも大切です。例えば、現在、大学の進学率は50%を超え、目的もなく大学を目指す時代になってきました。しかしみんなが行くから自分も行くのではなく、自らの得手不得手を理解し、それぞれに合った人生設計を早い段階で組み立てていくことも非常に重要だと思います。