トップページシンポジウム「アートでふれる、うつと心の軌跡展」開催
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「アートでふれる、うつと心の軌跡展」開催

2013.07.23   取材:21世紀医療フォーラム取材班 豊原富栄 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也

2013年7月8日(月)から11日(木)の4日間、東京・渋谷ヒカリエにて、「アートでふれる、うつと心の軌跡展」が開催された。一般公開に先立ち行われた7月8日(月)のプレスプレビューでは、ダックス・センター倫理委員会会長であり、メルボルン大学精神医学名誉教授のシドニー・ブロック氏を招聘した講演会が行われ、多様化するうつ病患者の病態への理解に、アートが果たす役割と可能性について、語りかけた。
(取材:21世紀医療フォーラム取材班 豊原富栄 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也)

概要
日時:2013年7月8日(月)10:30~12:00
会場:渋谷ヒカリエ「ヒカリエホールB」
プログラム:
①「アートでふれる、うつと心の軌跡展」
② シドニー・ブロック氏 講演会

 

シドニー・ブロック氏
シドニー・ブロック氏

今回展示された31点の作品は、豪州ダックス・センターに収蔵されている1万5000点の作品の中から選ばれたもの。作者は、子どもから高齢者まで、さまざまな背景を持つうつ病患者たちで、作品は彼らが「芸術医療」を受ける過程で生み出されたものである。

展覧会のテーマである「うつ」は、患者によってさまざまな症状があり、その表現の仕方も同じだけある。芸術療法は、そうしたうつ病患者たちの、言葉にならない葛藤や悲しみ、喜びを引き出すことで、患者の理解を深めると同時に、本人たちの心の重荷を軽くし、自尊心の再構築ができるようにと、同センターが世界で初めて精神医学に導入した治療法の1つだ。

展示会に際して、ダックス・センター倫理委員会会長、メルボルン大学精神医学名誉教授のシドニー・ブロック氏が来日。多様化するうつ病患者の理解に、アートが果たす役割の重要性について、作品を紹介しながら来場者に解説した。

例えば、展示された作品のうち、最年少の9歳、サイモン君が描く絵は、攻撃性と悲しみが見て取れる。彼自身が心に問題を抱える背景には、重い産後うつ病を患う母親の子どもへの無関心や愛情の欠如があった。

サイモン君の作品

産後うつは女性特有のうつ病であり、軌跡展には他にも重症化した産後うつ病患者の作品が展示されている。ジュリー・グッドウィンさんは3人の母親だが、3人目の出産を機に発病。子育てはおろか、家事をする気力もなくベッドから起き上がれない倦怠感を覚える日々が続いた。彼女の自画像日記からは、コントロールできないほど変化する感情、苦しさと虚無感、無気力さ、怒りが伝わってくる。

Julie Goodwin No title,2001
Julie Goodwin No title,2001