トップページリワーク医療機関に聞く患者と勤務先をつなぐコミュニケーションツールを開発し、 リワークに向けた環境整備を促進
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患者と勤務先をつなぐコミュニケーションツールを開発し、 リワークに向けた環境整備を促進

2013.06.11   稲田クリニック院長 稲田泰之氏

稲田クリニック院長 稲田泰之氏
稲田クリニック院長 稲田泰之氏

1992 年 大阪医科大学卒業。大阪医科大学附属病院にて研修開始(神経精神医学教室)。1994 年大阪医科大学助手(神経精神医学教室)。2002 年大阪医科大学精神神経科外来医長(リスクマネージャー)。2003 年 医学博士号取得。2005 年 大阪医科大学神経精神医学教室講師、稲田クリニック開院。2007 年 医療法人悠仁会理事長
[公 職]
日本総合病院精神医学会評議員 日本不安障害学会評議員 大阪労働局地方労災委員 大阪精神科診療所協会理事 高槻市医師会理事 他

大阪府高槻市の稲田クリニックでは、うつ病患者の治療だけでなく、患者のリワークを成功させるための仕組みづくりにも力を入れている。その具体的な内容と目的について院長の稲田泰之氏に聞いた。
(構成:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也)

ゆとり世代の無責任さのしわ寄せで
過重労働からうつ病になる人も

近年、働く世代のうつ病患者の増加が問題となっているが、その原因の一端が無責任な若い世代にあると、院長の稲田氏は指摘する。

「若い世代の離職率の高さが問題になっていますが、それは本人たちだけの問題ではありません。短期間で辞める人が増えた結果、そのしわ寄せが他の人たちに及び、過重労働に陥ってうつになるケースが少なくありません。昔は、学校でしっかり教育された人たちが企業に就職し、さらに企業内教育で社会人として躾けられましたが、最近は、ゆとり教育で甘やかされた世代が入社してくる上、企業も十分な教育を施す余裕がないことから、社会人として必要な覚悟が身につきません。その結果、少し厳しいことを言われたり、仕事が面白くなかったりすると、すぐに辞めてしまい、残った人の負荷が大きくなってしまうのです」。

また、若い世代のうつ病を訴える人の中にも、性格の問題と思える人も少なくなく、さらに、メンタルヘルスを盾に労災請求や訴訟を起こす人も増えていることを挙げ、企業としても、メンタルヘルスに関し、しっかりとした知識を備え、適切な対応をする必要があると改善策を提起する。

長い目で見て理想的なリワークのために
質問状で企業の姿勢を確認

働く世代の患者の増加に伴い、同クリニックでも、リワーク支援の取り組みを行っているが、稲田氏は、リワークを成功させる上で大きな課題となっているのが、関係者間のコミュニケーションだと指摘する。

「再発の場合を除けば、患者さんは初めてうつになった人ばかりなので、早く復帰しなければと気ばかり焦りますが、復職に対する企業側の考え方がわからない。一方、会社側も初めてうつ病患者が出たケースが多く、その対応に戸惑うところがほとんどです。また患者さんと企業の間に入って適切な判断をすべき産業医も、精神科医でない場合がほとんどなので、どう判断すればいいのかわからないという状況です」。