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「メンタルヘルス・シンポジウム 2012東京」を開催
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「リワーク成功へのケーススタディ」をテーマに
「メンタルヘルス・シンポジウム 2012東京」を開催

2012.12.26   構成:21世紀医療フォーラム取材班
文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也

2012年12月16日、東京コンファレンスセンター・品川において、「メンタルヘルス・シンポジウム 2012東京」~リワーク成功へのケーススタディが開催された。
本シンポジウムは、2010年12月東京、2011年7月大阪、12月東京、本年7月名古屋での開催に続く通算5回目の開催となる。今回は3年間の節目として、臨床現場におけるケーススタディに基づき、復職を成功へと導くための治療やリワーク・プログラムを検証する場となった。主催:21世紀医療フォーラム「うつ病リワーク推進協議会」、共催:JCPTD(うつ病の予防・治療日本委員会)、塩野義製薬の特別協賛で開かれた。
(構成:21世紀医療フォーラム取材班 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也)

 

国立精神・神経医療研究センター理事長・総長 樋口輝彦氏
米山医院医院長・作家 米山公啓氏
うつ病リワーク研究会代表世話人 五十嵐良雄氏

プログラムは、基調講演と特別講演に加え、うつ病治療の最前線にいる3名の医療者によるケーススタディで構成され、最後に講演者全員によるパネルディスカッションが行われた。

冒頭、国立精神・神経医療研究センター理事長・総長の樋口輝彦氏は「うつ病にかかるコストには、医療費をはじめとしたさまざまなコストがある。中でも、うつ病により休職しているときにかかるコストは2兆円を超えるというデータもある。本シンポジウムを通し、リワーク成功へのノウハウを共有することができれば、明日からのメンタルヘルスの向上に前進できると考えている」と挨拶した。

次に、米山医院医院長・作家の米山公啓氏が、「開業医からみたうつ病治療の課題。特に高齢者うつについて」と題した特別講演を行った。高齢者のうつ病は「内科的疾患を思わせる身体的な症状が主体であり、そのためにさまざまな診療科を受診することが多く、原因がうつ病にあることがわかりにくい」と問題を明らかにした。また、高齢者がうつ病を発症するきっかけや状態、本人や医療者への課題も提示し、「きちんと話を聴いてくれる医師の治療を受け、本人もきちんと薬をのみ、そして、生き甲斐のある生活環境を見つけることが重要である」と、改善点について述べた。

続く基調講演では、「リワーク・プログラムのエビデンス(科学的根拠)。その有用性について」をテーマに、メディカルケア虎ノ門院長であり、うつ病リワーク研究会代表世話人の五十嵐良雄氏が講演を行った。五十嵐氏は「今後はプログラムの質が問われ、内容を充実させていくべき時期に来ている。プログラムが治療的に働く要素と蓄積されたエビデンスを示したい」と述べ、同院で実施しているプログラムの利用者と非利用者の復職後の就労状況を示した。その結果から、「時間の経過と共に両者の差が広がる傾向がある。利用することで再休職は予防できる」と五十嵐氏は提起した。
次のプログラム、リワークケーススタディでは、「若者の軽症うつ病の見立てと治療」をテーマに、帝京大学医学部附属溝口病院精神神経科科長・教授の張賢徳氏が登壇した。近年、若者の軽症うつ病=新型うつ病=甘やかしてはいけないといった論調が広がっていることに、張氏は「うつ病の診断基準を満たすのであれば、叱咤激励や突き放した対応で良いとは思えない」と警鐘を鳴らした。一方で、若者の心の抵抗力が低下していることにも触れ、「うつ病状態のときは、原則として負荷を軽減する。また、予防的には関わりながら育てる姿勢で成長を促し支えることが重要だ」と述べた。