トップページインタビュー「震災から1年半を経ての心のケア」プレスセミナーを開催 第2回(2回連載)
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「震災から1年半を経ての心のケア」プレスセミナーを開催 第2回(2回連載)

2012.10.30   取材:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也

丹羽真一氏
丹羽真一氏
福島県立医科大学会津医療センター準備室(精神医学)教授
村上典子氏
村上典子氏
神戸赤十字病院心療内科部長

東日本大震災から間もなく1年半となる2012年9月6日、東京・丸の内の三菱ビルコンファレンススクエア エムプラスで、「震災から1年半を経ての心のケア」と題したプレスセミナーが開催された。
セミナーを主催した塩野義製薬は、2012年8月、全国の医療従事者を対象に、震災から1年を経た現在およびこれからの被災者に必要な心のケアについてまとめた「震災から1年を経ての心のケア」を発行した。今回のセミナーでは、このハンドブックの監修にあたった福島県立医科大学会津医療センター準備室教授の丹羽真一氏と神戸赤十字病院心療内科部長の村上典子氏が、講演を行った。
連載2回の2回目は、阪神淡路大震災やJR福知山線脱線事故など、大規模災害の臨床経験が豊富で、東日本大震災でも日赤救護班として巡回診療に当たった村上氏の講演から、大規模災害時の臨床に活かしてほしいポイントや被災者を取り巻く人たちが留意すべき点を紹介する。
(取材:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也)

【講演者】
丹羽真一氏 福島県立医科大学会津医療センター準備室(精神医学)教授
村上典子氏 神戸赤十字病院心療内科部長

「震災から1年半を経ての心のケア」プレスセミナー

生活の変化がストレスに

神戸赤十字病院心療内科部長の村上典子氏は、1995年1月の阪神淡路大震災、2005年4月のJR福知山線脱線事故などの被災者の心のケアに当たった経験をもとに、被災から時間が経過してからの被災者の心理的な特徴やそのケアにおける留意点を、自身が担当した症例を紹介しながら解説した。

震災3次ストレス
図-1 震災3次ストレス(クリックすると拡大します)

村上氏が診療した1996年以降は、震災そのものより、震災後の生活変化が被災者のストレスの原因になっていたケースが多く、なかでも、仮設住宅は、大きな原因の1つだった。日本赤十字社のアンケート調査(1734人から回答:1995年)によれば、仮設住宅は、「交通に不便な場所にある」「住宅としての設備が整っていない」「自宅のあった場所から遠い」といった問題点が指摘された。さらに、新たな住まいとして建設された復興住宅は高層住宅で、社会から隔絶されたような環境だったため、孤独感を募らせる人も多かった。

震災で自宅が全壊したため仮設住宅に入居したある男性は、慣れない仮設暮らしでストレスがたまり、アルコール依存となった。その後、念願叶って復興住宅に入居したものの、今度は、社会から切り離されたような孤独感が募った。その後、アルコール依存者の自助グループに参加し、回復しつつあったが、グループ内での人間関係に躓き、結局、ドロップアウトしてしまったという。