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認知のクセ・偏りを修正する ―悪いのはあなたではなく、“マイナスの認知”―

2012.07.24   東邦大学医療センター佐倉病院 メンタルへルスクリニック臨床心理士 浅海敬子氏

本コーナーの2回目に取り上げるのは、うつ病治療に用いられ、近年注目が集まる「認知行動療法」。東邦大学医療センター佐倉病院 メンタルヘルスクリニックの臨床心理士である浅海敬子氏に、認知行動療法について5回にわたり連載していただく。

浅海敬子氏
浅海敬子 氏
早稲田大学卒業、商社および文部省外郭団体職員を経て、横浜国立大学研究科・教育心理学修士課程修了。臨床心理士.総合病院精神科での心理療法を基本としつつ、スクールカウンセラー、企業EAPなどを兼務。現在、東邦大学医療センター佐倉病院 メンタルへルスクリニック臨床心理士、東邦大学理学部講師、「心の相談室 Q’s Office」主宰。

認知の偏ったパターンを見つけよう

心を揺さぶる出来事に出会うと、体験に刺激されたマイナスの固定観念に影響されて、マイナスの自動思考が浮かんできがちですが、この時、偏った物事の受け取り方にパターンがあります。

例えば、前回の例で考えてみましょう。

仕事のミスを指摘されて、
①「私はまたミスをした、こんな失敗ばかりして、
② この先やっていけなかったらどうしよう」
③「みんな私をダメな奴だと笑っているんだろう」
④「私はどうしていつもこうなんだ」
⑤「私は本当にダメな奴だ」

このような自動思考は、次のようなパターンが考えられます。

① わずかな体験から“過度の一般化”をしてしまう
② 悲観的な“否定的予測”をする
③ 根拠もないのに、否定的な結論を出す“感情的決めつけ”
④ “自己非難”に走る
⑤ 否定的な“レッテル貼り”をする

そのほかにも、うつ病を引き起こしやすいパターンがあります。

・「完璧でなければ全て失敗だ」と捉えてしまう“完全主義的・白黒思考”
・ 否定的なことは過大に受け取る“過大解釈”と、肯定的なことは「まぐれ」などと過少に捉える“過少評価”など

こうした客観的でないゆがんだ認知のパターンを、「認知のクセ・偏り」と呼びます。人にはそれぞれ特有の認知のクセ・偏りがありますが、これがうつ気分につながるマイナスの自動思考を引き起こすため、自分の自動思考の偏ったパターンを発見すること、そして、その偏りを適切に「修正」していくことが大切です。