トップページインタビュー夫がうつになっても大丈夫。きっと何とかなるものです。
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夫がうつになっても大丈夫。きっと何とかなるものです。

2011.11.15   『ツレがうつになりまして。』作者 細川貂々氏 望月 昭氏

細川貂々(ほそかわ・てんてん)氏
1969年生まれ。セツ・モードセミナー卒業後、漫画家、イラストレーターとして活動。著書に『ツレがうつになりまして。』『その後のツレがうつになりまして。』『イグアナの嫁1・2』『7年目のツレがうつになりまして。』など多数。
望月 昭(もちづき・あきら)氏
細川貂々さんの相方(ご主人)。うつ病から寛解した後、専業主夫として家事、育児を一手に引き受けるほか、夫妻の個人事務所「てんてん企画」の社長も務める。

テレビドラマ化に続いて、宮崎あおい主演で映画化されたベストセラー・コミックエッセイ『ツレがうつになりまして。』が話題を集めている。「ツレうつ」なる愛称が生まれるほどのヒット作は、実際にあった話を元に描かれたものだ。ツレとは作者・細川貂々氏の夫、望月昭氏のこと。うつ病になった夫との闘病生活を丹念に、けれど漫画家としてのあたたかなユーモアを交えて描かれた原作は、うつに悩む人の教科書としても最適だ。
今回のインタビューは、細川貂々さんご夫婦に、うつ病を発症した時から、どのように乗り越えてきたのか、そして、現在の心境などについて伺った。
(取材:21世紀医療フォーラム取材班 竹林篤実 文責:日経BP社日経BPnet編集プロデューサー 阪田英也)

電車に飛び込みたくなるんだよね

ご主人は、以前からうつ病になりそうなタイプだったのでしょうか。

細川貂々(以下・貂々さん) すごく几帳面な人ではありました。例えば、ツレ(=細川家ではご主人のことをこう呼ぶ)は自分でお弁当を作るのですが、入れるチーズを曜日ごとに決めていたり、きちんとした書類を出すときには、定規を使って字を書いたり。

望月昭(以下・ツレさん) お休みの前の日はヒノキの香りという具合にお風呂の入浴剤も決めていました。これを間違うと曜日まで勘違いしちゃうんですよ。同じく曜日ごとにネクタイと靴下の組み合わせもルールを作って守っていました。

貂々さん ちょっと変わってますよね。

ツレさん 僕の職場は、結構そういうタイプの人が多かったから、自分では不思議でも何でもなかったのですけれど。

確かにIT関係にお勤めの方は、几帳面で繊細な人が多いとはよく聞きますね。

貂々さん 性格でいえば、私の方がずっとうつっぽいんです。とにかく何ごとにも後ろ向きでウジウジしていますから。逆にツレは病気になる直前は、やたらとテンションが高く、とても元気でした。新しいことをどんどん始めて、好きなように行動して、見ていてうらやましかったぐらいです。

ツレさん でも、寒くなるにつれて少しずつ調子は落ちていました。昔から季節の変化に影響を受けるタイプで、寒くなるとてきめんに体調が悪くなるんです。

貂々さん そういえば、ツレのお母さんが言ってました。「この子は長いお休みになると、必ず熱を出す」って(笑)。

ツレさん 白状すれば、うつになりやすいタイプかなとは思っていたんです。大学生の時に心理学実習の診断で、周りに同調する傾向があるし、ストレスにもちょっと弱いと言われました。これは危ないタイプですよね。

貂々さん そんなの初めて聞いたよ(笑)。

ちょうどその頃、会社の業績が悪くなり、厳しいリストラがあったんですね。

ツレさん しかも毎年12月は繁忙期でめちゃくちゃ忙しくなるんです。仕事は増えるのに人手は減らされて大変でした。でもここを何とか乗り切ってお正月休みに入れば、後は倒れていい。そう思って頑張ったんです。

貂々さん 夏休みもギリギリまで仕事して、休みに入った途端に寝込むような人ですから。