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メンタルヘルスケアのキーポイントはコミュニケーションあの手この手で話せる環境づくり

2011.08.30   日立ソリューションズ 人事総務部統括本部人事サポート部部長 中村勝彦 氏、同 第2プロダクトソリューション事業部よろず相談役 斉藤邦明 氏

中村勝彦(なかむら・かつひこ)氏
日立ソリューションズ 人事総務部統括本部人事サポート部部長
斉藤邦明(さいとう・くにあき)氏
日立ソリューションズ 第2プロダクトソリューション事業部よろず相談役

月100時間超の残業、出社から退社まで一言も交わさずに済む職場、隣席との連絡もメール…といったIT業界特有の環境が、メンタル疾患の急増を招いた。「フィジカル」と「メンタル」、両面からのヘルス対策に努める一方、労働環境の改善を行うことで業績を伸ばし、メンタル疾患を減らすことに成功した日立ソリューションズ。中でも、ユニークな取り組みとして注目されているのが、「よろず相談役」だ。定年退職者である先輩社員を再雇用したからこそ、安心して悩みや愚痴などを吐き出せる。職場の事情に明るくない産業医も大きな期待を寄せる存在だ。
インタビューでは、人事総務部統括本部人事サポート部部長・中村勝彦氏と、第2プロダクトソリューション事業部よろず相談役・斉藤邦明氏に、日立ソリューションズのヘルス対策について、お聞きした。
(21世紀医療フォーラム取材班 原田英子 文責:日経BP社日経BPnet編集プロデューサー 阪田英也)

メンタルヘルスケアの必要性に迫られた
トラブルプロジェクト、その解決策

日立ソリューションズにおける社員のヘルス対策について、詳しく教えてください。

中村 フィジカル面とメンタル面に大別されますが、昨今、特にこの業界ではメンタル面が重視されていることから、当社としてもそこに重点を置いて対策をとらざるを得ないと考えています。

まず、社内外のEAPを導入し、同僚や上司に知られずに相談したい事項は、社外EAPへ。その一方で、社内の知識を持った人間が話を聞かなければ解決に結びつかない問題もあります。そういう意味でも、社外EAPとは別に、2007年から定年退職者を再雇用するという形で「よろず相談役」を置き、現在7人体制で相談にあたっています。

当社には「キャリアサポート」という制度もあり、さまざまな悩みやキャリアについて相談できますが、「よろず相談役」は、どちらかというと人間関係や職場の問題を拾いあげて、事業部長など事業を統括している責任者に直接対策を具申して問題を解決してもらう、そういう立場でお願いしています。キャリアサポートは人事部門、よろずは事業部門直属です。

メンタル面の対策の必要性を感じたのはいつ頃からですか。また、その理由もお聞かせください。

中村 ヘルス対策といえば当初はフィジカル中心でしたが、2005年頃からメンタルの罹病率が上がってきました。それには2つの理由が考えられます。

1つには産業医の先生が新しい取り組みをしたことです。不調を感じているにもかかわらず、表に出てこなかった社員に対し、調子が悪ければきちんと治療を受けるべきだと投げかけた。つまり掘り出しをしたことで、明らかになってきたというのが1つ。さらに、2005年の3月期、初めて大きな赤字決算を迎え、社員の士気が下がったこと。会社が全体的に落ち込んでいる中で、社員もモチベーションを持てないような時期だったと思います。

赤字の主な原因は、“トラブルプロジェクト”です。トラブルプロジェクトでは確かに残業が多くなりますし、仕事の目的意識を持てなかったこともあったと思います。オーバーワークもさることながら、仕事の質も非常に大きい。以前に比べて納期が短期になり、非常に厳しい状況になってきているだけに、よけい責任を重く感じるのだろうと思います。