トップページシンポジウム「2010 メンタルヘルスとリワーク」開催
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「2010 メンタルヘルスとリワーク」開催

うつ病治療の最終的なゴールは、職場への継続的復帰

2011.01.14   21世紀医療フォーラム「うつ病リワーク推進協議会」

 昨年11月27日、東京・汐留のベルサール汐留において、シンポジウム「2010 メンタルヘルスとリワーク~うつ病患者のリワーク(復職)を成功させるために」が開催された。
 かつてのうつ病患者は、40~50歳代がその中心。しかし最近のうつ病は、この年代の他に、20~30歳代に大きなピークが出現している。この年代層には、最近話題となっている「現代型うつ病」や「非定型うつ病」など、抗うつ剤の効きにくい“難治性うつ病“が登場し、うつ病治療をより難しくしている。一方、うつ病患者のリワーク(復職)は、患者本人へのリワークの支援方法や、患者を受け入れる側の職場環境などに問題があり、必ずしもうまくいっていないのが現状。しかし、20~50歳代にまたがるうつ病は、もしリワークが推進されないとしたら、“うつ病による就労人口の減少”につながる。
 どうすれば、うつ病患者のリワークを成功させることが可能か。このテーマに基づき、うつ病治療、リワーク支援に当たる7名の専門家を招いて開催されたのが本シンポジウムである。

樋口輝彦 氏
国立精神・神経医療研究センター 理事長・総長 樋口輝彦 氏

 うつ病患者は、2008年には100万人を超え、10年前に比べ、倍増しました。また、うつ病患者の、実に75%が医療機関を受診していないことを考えると、潜在患者数はもっと多いことになります。
 かつて、うつ病は働き盛りの40~50代が中心でしたが、最近は、20~30代にもピークが見られます。また、うつ病と自殺の関係も非常に深刻な社会問題であり、年間自殺者数は、12年連続で3万人を超え、その4割弱がうつ病患者です。
 そして、うつ病を原因とする1カ月以上の休職者を抱える企業も年々増えています。これらの休職者の約8割は、3カ月~半年の復職支援期間を経て、復職就労していきますが、そのうちの3割が再休職しています。復職・再休職を、幾度となく繰り返す例も多く、リワークが成功しているとは言いがたい状況がここにあります。
 うつ病の医療では、「早期発見」と「早期治療」が大切ですが、多くの場合、患者が最初から精神科を受診することは稀であり、内科などかかりつけ医を受診しています。従って、かかりつけ医がうつ病を正確に診断することが求められますが、この課題はまだ克服されていません。かかりつけ医と精神科専門医をつなぐネットワークの構築がこの課題を克服する鍵といえます。
 うつ病治療の最終的なゴールは、職場への継続的復帰です。継続的復帰ができて、初めてうつ病から回復したことになり、こうした観点からも、リワークを成功させることは、大変重要なテーマといえます。
 現在、リワークのための「リワークプログラム」や「ソーシャルサポート」など、様々な試みが実施されていますが、こうした支援対策を充実させることが急務です。いま、どのような「サポートシステム」が存在し、どのような「アプローチ」が必要なのかを講師、パネリストの方々と一緒に検証していくことにしましょう。