トップページシンポジウム“うつ病を知る日”記念イベント 「うつをこえて」開催でみえた収穫と課題
Good Doctor NET AGING Web 宇治おうばく病院 うつ病~こころとからだ 話してみよう うつの痛み うつ病・認知症コンソーシアム 冊子バナー 特別協賛:シオノギ製薬 ココ朗くん

“うつ病を知る日”記念イベント 「うつをこえて」開催でみえた収穫と課題

2010.11.02   21世紀医療フォーラム取材班

2010年10月2日、東京・丸の内コンファレンススクエア エムプラスにおいて、JCPTD(Japan Committee for Prevention and Treatment of Depression うつ病の予防・治療日本委員会)主催によるシンポジウム「うつをこえて」が開催された。今年から、10月第1土曜日が「うつ病を知る日」と定められたことを記念するイベントで、うつ病対策強化を図る啓発活動の一環として行われた。

シンポジウム「うつをこえて」の午前中のプログラムは、うつ病専門家による個別相談会。午後からは、防衛医科大学校精神科教授・野村総一郎氏による「うつ病について」の基調講演、続いて「うつと生きる」と題するパネルディスカッションが行われた。

基調講演では、「うつ病の定義と種類」、「うつ病が増えていることの社会的背景」、「うつ病の予防と治療」、「うつ病患者の家族、会社の人事担当者など周りの人間の対応の仕方」など、まさに“うつ病を知る”ための基礎的な知識が解説された。

img
img
img

パネルディスカッションでは、座長・竹島正(国立精神・神経医療研究センター)氏の紹介で、3人のパネリストが登壇。日本司法書士連合会の木下浩氏は「法律家の経験するうつ」、ジャーナリストの佐藤幹夫氏は「発達障害を有する本人・家族・教師とうつ」、国立精神・神経医療研究センター・松本俊彦氏が「うつとアルコールのはざま」と題して、それぞれが短い講演を行った後、指定発言者として野村総一郎氏を交えてのパネルディスカッションが行われた。

まず、自殺対策に熱心に取り組んでいる木下氏は、ご自身が「うつ病と不安障害」を抱えていることを告白した上で、「相談者にうつ病患者が多い」ことを挙げ、それは、特に「多重債務をメインに相談を受けている」ためと分析した。相談者がうつ病に至る経緯はさまざまだが、過重労働から、“うつ病発症→解雇→生活苦→多重債務”という場合や、個人事業主で、“事業に失敗→離婚→アルコール依存・ギャンブル依存→うつ病発症→多重債務”というケース。また、身体疾患で特にがんの場合、“保険の効かない治療を受けるために、高額借金をした”結果の多重債務などについて解説した。

木下氏は、「多重債務のことだけを聞きがちな司法書士も多いが、多重債務の裏にあるさまざまな問題を聞き逃してしまうと、相談者の生活再建につながらない。だからこそ、傾聴を重視して、日ごろから精神科の医師とのネットワーク構築を心がけ、相談者のメンタル面での治療につなげて、自殺に至る危険要因を取り除き、その後で、多重債務の問題に取り組む必要がある」と述べた。