植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

「いつもは3時間ちょっとの講演なんていうと眠くなってしまうのですが、今回は寝ないどころではなく、ひきこまれました。あっという間で、すごく楽しかった」

「心にビンビン響きました、何度もドキッとしました」

「いや~、頭ではわかっていたつもりだったのですが、ストンと腑に落ちました。心で感じるという意味がわかりました」

「何度か女性活躍とか、ダイバーシティの講演を聴く機会があったのですが、一番面白かった。今日の話は自分事として入って来たって感じです。」

 これは、私のダイバーシティ推進、女性活躍推進の講演を聴く45歳~50代の男性管理職の声です。私の講演や研修の冒頭は、いつも同じで、30分近くをかけて私の人生について話をします。

 女子校から大学に進学して、20歳で学生結婚をして医者の妻、まさに昭和の女のシンデレラストーリーから始まる出だしから、夫の浮気で家庭裁判所で1年半かけて離婚、人生観が180度変わって、バリバリなキャリアウーマンとして生きることを誓い、男性以上の企業戦士として典型的な日本企業で30代をガムシャラに働き、業績は上げて5年後に事業部長になるものの、子宮筋腫で倒れて手術を2回、挙句の果てに自分の部下30人全員から辞表を出され、40代半ばで両親が倒れて介護生活、そして更年期を乗り越えたけれど50代になって自分の健康問題に心配を抱えながら今に至るというかなり波乱万丈の人生です。

 私が自分をさらけ出して人生の軌跡を語ること。それも輝いている時よりも転んで苦しんだ話を中心に洗いざらい話すことに驚かれる方はたくさんいます。でも、私はいつも冒頭にこんなことを言います。

「ダイバーシティ推進、女性活躍推進は、一人ひとりが何かを感じて、変化のために一歩を踏み出すことが大事です。どうか、私と一緒に心の旅に出てください。今までの自分自身の人生を振り返り、今の自分の心の状態を味わってください。私の人生の話を聴きながら、自分の人生を振り返ってください。そして、いろいろなことを想い出してください」

 私の自己紹介の時間は、実は私の時間ではなく、参加者が自分自身に人生を振り返り、今の心の状態を感じる時間です。

「もしかして、先生ってねずみ年?同級生ですよ僕は。先生の自己紹介の話を聴きながら、20代で若かった頃のこと、あのころの気持ちとか、いろいろ蘇ってきました」

「僕も、実は部下から『あなたには付いていけない』という辞表を出される痛い体験がありました。思い出しましたよ。部下にひどいことしちゃったなって今は思う。でも、その時は部下のせいにしていました」

「ほんと、気合と根性で若い時は仕事一色でしたよ。でも体壊して入院したら、会社は信じられないほど冷たかった。会社のために頑張ってきたのに、何だったんだと思った瞬間でしたよ」

「田舎のおふくろが倒れちゃってね。一人暮らしなんですよ。今までは仕事命って思ってきたけど、仕事なんかより、おふくろのことで毎日頭いっぱいですよ」

「本当に自分自身が疲れていて、イキイキなんてしてなかったことに気づきました」