石田淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 先日、セミナーの受講者から相談を受けました。「チェックリストを部下に渡しているのに、それを活用してくれない」というのです。

 精密部品メーカーの営業部門で課長職を務める彼は、私の著書を参考にして、契約を取れるまでの一連の仕事を徹底分解してチェックリストに落とし込みました。それを4人の部下に渡し、「この通りに動けば契約が取れるから」と指導しているのにうまくいかないと悩んでいます。

 私は、そのチェックリストを見せてもらいました。事前準備から身だしなみ、アポの取り方、商品説明など、10枚以上にわたり、チェック項目が細かく並んでいます。しかも、ただ並列されているのではなく「大項目」「中項目」「小項目」などに分かれています。そこには、彼の会社における営業の仕事が完璧に分解されていました。このチェックリストを作成するには相当な努力が必要だったはずです。

 しかし、それがかえって部下を混乱させているのではないかと思えました。ただでさえ仕事ができないでいる部下にしてみたら、「やることが多すぎてついていけない」と感じるかもしれません。あるいは、「チェックしながら仕事を進めていると、時間がかかりすぎてかえってマイナス」ということも起きている可能性があります。

ピンポイント行動を拾ったチェックリストを作る

 行動科学マネジメントの手法を用いて部下に結果を出させようと考えたとき、仕事を細かく分解することは非常に重要です。その最大の目的は、一連の流れの中から業績に直結するピンポイント行動を見つけ出すことにあります。ただ分解すればそれでいいのではなく、その中でとくにどの行動をとるべきなのかを教えることこそ必須です。