白井 剛司
博報堂 人材開発戦略室マネジメントプラニングディレクター

 前回はOJTの中間時に考えなければならないトレーニーの「成長課題」について解説しました。全体的に、「問題解決型」の捉え方が気になった方もいらっしゃるかもしれません。やはり育成というのは人を扱うことだけに、育成の経験をお持ちであればあるほど、仕事のように「分析⇒課題抽出⇒解決策」のようにロジカルに行かないことが多いとの実感を持たれている方は多いはずです。今回は、より「気持ち」の面にフォーカスして考えて行きます。

トレーナーが捉えた課題を更に深掘りする

 前回は、指導者・育成者として、トレーニーが陥っている困難な状況について想像し、課題を特定してみました。今回は更に見えている状況を掘り下げます。

 まず、前回行ったことまでの流れを確認します。トレーナーにとって、トレーニーの気になる、乗り越えるべき課題が見えてきたとします(図の左上の(1)トレーナーとして見えた「成長課題」)。そして、トレーナーとしてその課題の原因を考えます。

 たとえば、「自分で一度考え抜く」という課題。トレーナーにとっては今まで以上に1ランク高いレベルの仕事を与えて自分の考えで他者を巻き込んで推進してほしいという気持ちはあるものの、トレーニーは他者から言われたままに横流ししてしまい、なかなか自分の想いが発揮されていなかったり、そもそも(言われたままの横流しでは)仕事が着地しなかったりしている状況です。

 そして、トレーナーはトレーニーの陥っている課題の原因を考えます(図の右側の(2))。この例で言えば、

・(仕事の)相手の意図をくみ取れない
・仕事を作業として横流しにしてしまう

といった原因が考えられます。