白井 剛司
博報堂 人材開発戦略室マネジメントプラニングディレクター

 連載も25回。今回はOJTで大切な5つの軸(要素)の紹介の最終回、「傾聴」について解説していきます。この「傾聴」という概念は、皆さんのイメージするものとほぼ同じだと思います。これをもう少しOJTの育成現場に照らし合わせて使うシーンを紹介していきます。

指導に「傾聴」が必要になる背景

 OJTも後半に入り、トレーナーの立ち位置は「指導者」から「支援者」に徐々に移行してきます。つまり、仕事の主体は徐々にトレーニーに移ってきます。トレーニーの経験も過去に何回か経験した仕事が中心になりながらも徐々にその難易度も増していますし、いくつかの仕事が絡み合ってきます。また、この時期は先輩社員や取引先を巻き込んだ仕事も多くなっていることでしょう。

 そのような中でトレーナーから見える新人の日々の仕事は、どうも「自分の考えがなく言われたままに動いている」「他人から言われた事の横流し」「意志のない言動、行動」となるように思います。そして、これがトレーニーの成長する上でのこの時期の課題になります。

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