白井 剛司
博報堂 人材開発戦略室マネジメントプラニングディレクター

 新入社員OJTに関して、トレーナーとトレーニー(新入社員)の両者が大事にしている5つの要素(軸)をひとつずつ紹介しています。今回は3番目の要素(軸)の「ティーチング」について解説します。前回の「任せ方」についで最頻出の要素と言えます。OJTの前半でとても重要な概念であり、かつ皆一般的に使っていると自覚している内容ではありますが、この連載で大事にしている《自分ごと》の意識体感に繋がるための「ティーチング」について理解を深めていただけると嬉しく思います。

前半の指導の肝は「教えること」、経験とセットで指導することが重要

 「ティーチング」は、6~10月の前半のOJTでは前回で紹介した「任せ方」と対になって重要な要素です。まずは社内トレーナー向けのテキストでこの概念の説明をさせていただきます。今回はその実践について紹介していきたいと思います。

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 以前の回で書きましたように、2010年、2011年入社くらいを境として今の若手世代は「物事を経験前に教わりたい」(演繹的経験学習)という志向を持っていると感じています。これに応えるためにOJTの前半(博報堂の場合は6~10月)では、習得してほしい仕事に関して、できるだけ順序立てて教えることがトレーナーとトレーニーの指導における信頼感を固めることに繋がります。