石田淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 あなたが、独立してアンチエイジング事業に乗り出したとしましょう。アメリカから輸入したサプリメントをインターネットで販売してみたところ、思いのほか売れ行き好調でした。こんなとき、あなたは「チャンス到来!」と販路を拡大する方策を練ることでしょう。たとえば、受注センターを開設してオペレーターを雇い、宅配業者と一括契約を結ぼう、とか。しかし、これからはそうは簡単にことが運ばなくなるかもしれません。

少子化は想像を超えた影響を及ぼす

 いま、トラック運転手の平均年齢が50歳を超えているのをご存じでしょうか。20代30代のなり手が激減しているのです。このまま推移すれば、いずれ運送業は成り立たなくなります。物流がストップすれば、日本のあらゆる業界はお手上げです。どれほど注文が殺到しているサプリメントでも、顧客の手に届けることができません。

 トラック運転手に限らず、圧倒的に働き手が足りない時代がやってくるのですから、オペレーターだって集めるのに苦労することでしょう。受注電話回線は引いたものの、人員不足でかかってきた電話に対応できず機会ロスを重ねることになるかもしれません。

 これはSF物語ではありません。理論上はうまくいくはずの仕事が、人がいないことで行き詰まる時代がやって来ます。

 少子化の影響で、日本の労働人口が減少していくことは多くの人が理解しているはずです。しかし、現実に起こることはそうした理解をはるかに超えるものになりそうです。