石田淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 あなたに数人の部下がいれば、その部下たちの能力にはばらつきがあって当然です。ばらつきはあれども、おそらく、その多くがミドルパフォーマーではないでしょうか。「全くダメというわけではないが、期待に応えるほどの働きもしてくれない」人たちです。

 上司にとって、なかなか結果を出さないミドルパフォーマーの部下というのは悩みのタネです。だから、ハイパフォーマーの部下が一人でもいたら、上司はついその部下に頼りがちになります。そして、「全員が彼のようなハイパフォーマーだったらいいのに」という願いはかなえられないことはわかっています。ですから、「かえってハイパフォーマーである彼だけいてくれたほうがいいくらいだ」と考えたりするのです。

上司の教え方次第でいくらでも伸びる

 ミドルパフォーマーの部下たちの人件費は、部署のコストとして計上されます。それに、なかなか結果が出せない彼らを育成するために、上司は自分の貴重な時間を削らなくてはなりません。こうしたことから、ミドルパフォーマーの部下を「お荷物」扱いしてしまう上司も多いのです。

 しかし、そうした態度は上司自身の損につながります。「全員が彼のようなハイパフォーマーだったらいいのに」という願いはかなえられなくても、「全員が彼に近づいてくれたらいいのに」という願いはかないます。それを上司がやるかやらないかだけなのです。

 ハイパフォーマーの部下には、上司は多くを言う必要はありません。大きな目的さえ伝えれば、彼らはそれだけで的確に動いてくれます。どうしてそんなことができるかといったら、勘がいいからです。上司に忠実だからでも性格がいいからでもありません。

 一方、的確に動けないミドルパフォーマーも、上司に逆らっているのでも性格が悪いのでもありません。勘で動くことができない彼らは、行動をとるための方法を知りたいのに教えてもらえないでいるだけです。

 もちろん彼らとて、何から何まで教えてもらわなければわからないローパフォーマーとは異なります。結果に直結する大事な場面において、「どうしていいかわからない」からミドルパフォーマーに留まっているにすぎません。彼らは、上司の教え方次第でいくらでも伸びます。