石田淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 人材派遣を中心業務に置くある企業では、新規の顧客開拓が求められていました。創業年月が浅いこともあり、業績がまだまだ不安定だったからです。同業他社から中途採用で入社してきたK課長は、業績を上げようとがむしゃらに働き、契約数でほかの課長たちをあっと言う間に引き離しました。しかし、時間が足りなくて、与えられた部下の育成にまで手が回りませんでした。

 そのため、獲得した顧客担当に部下を付けると、「彼じゃ話にならない」といったクレームが顧客から出ます。せっかく獲得した顧客を失いたくなくて、結局フォローもすべて行うことになり、K課長の仕事はさらに増えている状況です。

 しかし、そういうやり方にはいずれ限界が来ます。顧客担当をまかせられる部下を育てることは必須ですが、いつまでたってもその時間がとれずにいます。

まずは「行動計画表」をつくる

 K課長のような働き方をしているマネジャー職は日本中にたくさんいます。逆に、マネジメントに時間を取られすぎて、自分の仕事が疎かになっている人もいます。プレイヤーとして高いパフォーマンスを求められる課長が、業績も伸ばしながら部下育成を成功させるには、タフな心身とともに、時間配分のバランス感覚が必須です。

 言うまでもないことですが、私たちの時間は限られています。どんなに優秀な課長にも、1日24時間しか与えられていません。大事なのは、そうした現実と向き合い、できることとできないことをはっきりさせることです。

 K課長のような事態を避けるために、自分の仕事と部下育成の時間配分を考えた「行動計画表」をつくり、それにしたがって行動することをおすすめします。計画表を持たないと、どうしてもK課長のように、出社すればそのまま目の前に溜まっている仕事に入り、一日中それに振り回されることになります。そうなる前に、部下育成の時間をあらかじめ確保してしまうのです。