清宮 普美代
株式会社ラーニングデザインセンター 代表取締役

 最近、ふと思いつき、かやぶき屋根の日本の里にいってきました。「日本昔ばなし」にでてくるような、まさに日本の原風景。そこは「静」の世界で、村のなかでは時間がとまり、まさに同質性のなかの心地よさのようなものを感じました。山奥の交通の不便なところにも関わらず、外国からの旅行者が多くてびっくりしました。

他者に対して持つ4つの不安

 ただ、私たちの日常は「動」です。常にダイナミックに変化することを求められたとき、同質のなかでとどまっていることはできません。変化を生み出すことは、同質性ではなく、異質なものを受け入れ、創発していくことです。時にそれは、心地がよくない状況を生み出すかもしれません。この多様性(ダイバシティ)をどのように自分のなかに担保できるかが、この変化することにおけるポイントだと最近、企業の変革サポートをしていると特に感じます。

 ダイバシティとカタカナにすると、安倍政権のアナウンス効果もあって、いまは「女性活躍」というイメージが強くなっています。しかし、本来的な意味あいとしては、ジェンダーだけが多様性を意味するものではないということは、以前にも言及させていただきました。

 そして、この多様性が担保されるためには、集団のなかで心理的安全が担保されることが必要です。多様性と関係性が整備されたとき、私たちはより変化し、新しいものを生み出すことができます。つまり、異なることをマイナスに働かせることなく、それを組織の力にするためには、組織内の関係性の整備がとても重要なのです。

 ダイバシティを阻害するものの一つが排斥ですが、その背景には他者に対しての不安があります。私たちは集団に所属していると、自分の認識において他者に対して以下のような4つの不安をもっています。

●知らないと思われること
●能力がないと思われること
●暗いと思われること
●横やりをいれると思われること

 このような対人不安によって、本来は集団にとってとても有益な認識や情報を提供することができなくなります。新しい異質な情報が手に入れにくくなるのです。ダイバシティを活用する場合は、このような対人不安が起こらない組織風土をつくることが大切です。逆に、ダイバシティを推進するからこそ、このような不安が払しょくされる関係性構築に成功するといってもいいかもしれません。