中村 文子
ダイナミックヒューマンキャピタル代表取締役

『研修開発入門-会社で「教える」、競争優位を「つくる」』
『研修開発入門-会社で「教える」、競争優位を「つくる」』
中原 淳 著 / ダイヤモンド社 / 3,990円(税込) / 352ページ

 東京大学大学総合教育研究センター准教授の中原淳氏が執筆した、企業内部で研修を企画・立案し、実施・評価していく人のための入門書。本書には、中原氏のアカデミックな知見と、企業で実際に研修を担当している実務家30人からのヒアリングで得られた実践知が統合して記されている。

 近年、研修内製化が注目されている。パッケージ売りされている外部研修に人材育成を委ねるのではなく、他社との差異化、競争優位性の向上、企業文化の醸成、知識・スキルの継承という観点から、社内の人材で社内の人材を育てようという方針である。内製化を進めるにあたり、非常に参考になるのが本書である。

 まず、研修を開発するとはいったいどういうことなのか、を紐解いている。その上で企画、研修デザイン(作成)、社内講師選定、研修の告知や事前のコミュニケーション、準備、研修を実際に教えるためのスキル、研修後のフォローアップという一連の流れが解説されており、担当者にとって心強い内容になっている。「入門書」と位置付けているだけあって、わかりやすい言葉を用い、事例も多く、読み進めやすい。

 組織力を高めるためには、研修を内製化することは必須。大いに参考にしたい一冊である。実践編としては、2006年に発行されている『企業内人材育成入門』(ダイヤモンド社)がある。

関連図書

『企業内人材育成入門』
中原 淳、荒木 淳子、北村 士郎、長岡 健、橋本 諭 著 / ダイヤモンド社 / 2,940円(税込) / 369ページ