細川馨
ビジネスコーチ(株) 代表取締役

細川:マーシャルさんが最近特に重要だと感じることは何ですか。

マーシャル:従業員のエンゲージメントです。

細川:なぜその必要性を感じたのでしょうか。

今必要なのは、従業員のエンゲージメント

マーシャル:ナショナルヒューマンリソースアカデミーという団体のフェローになっており、そこで3人のHRのエグゼクティブのプレゼンテーションを聞きました。企業が従業員のエンゲージメントに対して何ができるかについて焦点が当たるけれど、従業員自身が自分たちのエンゲージメント向上のために何ができるかということには全く触れていませんでした。何か、大切な真実の半分が欠けていると感じたのです。

細川:ジョンソン&ジョンソンの方が、エンゲージメントの研修を受けたけれど、マーシャルさんの言っていることとはまったく異なったと言っていました。従業員サイドのエンゲージメントの効果とは何でしょう。

マーシャル:従業員のコミットメント、エンゲージメントというのは、従業員が与えられた仕事、自分で決めた仕事に、最大限の努力をすることです。さらに言えば、与えられた目標を超えて達成しようと目指すことです。

細川:マーシャルさんがよく言う、内から湧き出るようなものでしょうか。

マーシャル:そうです。今までは内側から湧き出るものにはまったく働きかけず、すべて外的環境からの働きかけのアプローチでした。今、従業員のコミットメント、エンゲージメントは世界中で記録的に低い状態にあります。アメリカでも低いですし、中国でも低いです。日本はわかりませんが、やはり低いのではないかと思います。今のこの状況が非常に重要な問題を示唆しています。今こそ何か違うやり方を試す時期ではないかと思います。

細川:マーシャルさんは、従業員のエンゲージメントを高めるためのワークショップをどのような国々で行っていますか。

マーシャル:日本、インド、アメリカ、オランダ、ベルギー、イギリスの6カ国です。

細川:女性が非常に感動すると聞きますが、世界でも同じでしょうか。

マーシャル:国によって少し異なります。女性向けのプログラムで一番効果があるのは、1位が中国、2位がインド、3位が日本です。

細川:仏教が関係しているでしょうか。

マーシャル:そうではないでしょう。中国は仏教国ではありませんからね。

マーシャル・ゴールドスミス(Marshall Goldsmith)
1949年ケンタッキー州生まれ。Marshall Goldsmith Partners LLC、インディアナ大学MBA、UCLA博士号。エグゼクティブコーチングの第一人者。世界的大企業の経営者100人以上をコーチしたことで知られる(GE、UBS、ゴールドマンサックス、クレディスイス、モトローラなど)。76年から大学で教鞭をとるかたわら、専門とする「ボードメンバー向けリーダーシップアセスメント」の手法を駆使してリーダーシップ能力開発プログラムに従事。米国における「エグゼクティブコーチングのグル(先導者)」と呼ばれる。2011年のThe Thinkers 50のリーダーシップ開発部門第1位(総合では第7位)に選出される。マーシャル・ゴールドスミス・パートナーズ社の創業者であり、世界の企業教育トップコンサルタントを組織したA4SL(戦略的リーダーシップ同盟)のパートナーもつとめる。