細川馨
ビジネスコーチ(株) 代表取締役

細川:まずは簡単に森さんの経歴についてお話ししただけますか。

森:カナダで生まれ、スイス育ちで、アメリカで就職して、その後初めて日本に来ました。これまでの4分の3は海外です。父が国連で働いていたので海外で育ちました。

細川:すごいですね。ほとんど英語で過ごされていたのですね。

森:英語とフランス語です。

細川:大学を出られてどうされたのですか。

森:当時は不景気で、アメリカ中、百数十通の手紙を送りながら仕事を探して、卒業して半年後、シリコンバレーの会社に入社し、まずセールストレーニングプログラムを受けました。当時は本社に世界中からセールスをやりたい新卒を集めて、6カ月から1年くらいトレーニングプログラムを組んで教育していました。アメリカ人が20人ぐらい、ヨーロッパから5人、アジアからは私1人。とても楽しかったことを思い出します。最初はセールスサポート、事業部、エンジニアを行いました。セールスエンジニアからスタートしました。

 私の場合はその経験が長く、日本をサポートする部隊から、日本向けの製品のマーケティングを行い、その後初めて日本でフィールドマーケティングを担当しました。日本には6ヵ月間しかおらず、そのあとヨーロッパとアメリカの間を10年以上行ったり来たりしていました。ヨーロッパ本社がジュネーブにあり、会長から「もうそろそろ日本に行け」と1997年に言われ、約3年いました。その時に営業、マーケティング本部長になりました。その後、今のインフィニオンという当時シーメンスの子会社から声がかかり、今に至っている訳です。

細川:それ以来、社長を長くやられていらっしゃるのですね。

森:今年で13年目です。

グローバル化は理解されつつあるも実行には課題

細川:日本では2~3年前からグローバル人材とよくいわれますが、社長から見たらいかがですか。

森:これまでもインターナショナル化、グローバル化と言われていましたが、言葉だけで意味をなしていませんでした。最近になりやっと理解され始めたな、と思います。ただ、まだ実行するには大きなステップが必要だと考えます。一つは、日本は国も企業もルールがある中では活用できても、世の中の変化が早くてアップ&ダウンが激しいときにフォローできないという現状があります。そこがアメリカと違います。アメリカはクライシスがあるほどみんなが最終的にはどんどん強くなっていくと感じます。日本はクライシスになるとボロボロになり、立ち上がるのに時間がかかって、その間に相手がどんどん強くなっていきます。

細川:今まさにそうですよね。情報がすごいスピードでまわっているので、日本人が真面目に何カ年計画をつくっても、それが全然効果がないような状態ですね。特にハイテク業界では顕著ではないでしょうか。

インフィニオン テクノロジーズ ジャパン
森 康明(もり・やすあき)
代表取締役社長
半導体業界およびエレクトロニクス業界において25年以上の経験を持つ。米国ニューヨーク市のコロンビア大学・電気工学部卒業後、84年に同大学・大学院国際学部で修士号取得。AMD(アドバンストマイクロデバイス本社、カリフォルニア)に入社し、シリコンバレーでキャリアをスタートする。同社在職中には、米国およびヨーロッパにおいて、販売、マーケティング、戦略、行政対応など各種の職務を歴任する。1997年に日本AMDの取締役、営業マーケティング本部長に就任。2000年より、インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社京)代表取締役社長、グローバルエグゼクティブチームメンバー。カナダに生まれ、スイスで教育を受ける。外国生活が長く、日本、北米、欧州でのクロスカルチュラルなビジネスに精通している。グローバルなバックグラウンドと、エンジニアリングやマーケティング分野での経験を活かし、日本におけるインフィニオンのプレゼンス向上を図る。業界での経験は、オートモーティブ、民生機器、パワーエレクトロニクス、インフォメーション・セキュリティー、モバイル、通信、コンピュータの多方面に及ぶ。