佐藤 雄一郎
学校法人産業能率大学総合研究所 マーケティングセンター長

 今回は、「通信研修に関する実態調査(2012年度版)」をもとに、対象者必須受講(指名受講型)のうち、企業・組織の特定の人材育成課題対応した活用形態の詳細についてご紹介いたします。今回取り上げる活用形態は、特定課題連動型(全社、部門、資格取得)です。

特定課題連動型(全社)の活用実態

 改めて、特定課題連動型(全社)は、以下のように定義づけられます。

「特定課題連動型(全社)」・・・経営戦略や事業戦略を遂行する上で特に必要となるテーマに関連したコースの受講を義務づけている形態

 導入割合は以下の通りです。

 次に、特定課題連動型(全社)を導入している場合におけるテーマごとの実施の有無をお尋ねしました。設問は以下の通りです。

  1. マネジメントスキル(目標による管理やOJTなどマネジメント上の特定テーマ)
  2. ビジネススキル(ビジネスに関連するスキル、ロジカルシンキングやプレゼンテーションなど)
  3. 経営戦略・マーケティング(経営戦略やマーケティングマインドなど)
  4. 計数感覚(財務諸表の読み方やキャッシュフローなど)
  5. 英語(英会話、TOEICなど)
  6. 英語以外の外国語(中国語、韓国語など)
  7. IT・パソコンスキル
  8. コンプライアンス・リスクマネジメント(法令順守精神の浸透・定着、個人情報保護など)
  9. ビジネス関連法規(商取引に必要な法律や労働法など)

 実施状況については以下の通りです。

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 特定課題連動型(全社)の導入割合の導入割合は、2割弱。導入内容に関しては、コンプライアンス・リスクマネジメントおよびマネジメントスキルが9割弱と多く、次いでビジネススキル、IT・パソコンスキルが8割強と続いています。特定課題連動型(全社)を導入している場合は、英語以外の外国語を除き概ね7割以上で導入されているテーマが多い状況でした。

 特定課題連動型(全社)の導入率に関して、属性ごとにクロス集計を行いました。結果は以下の通りです。

 クロス集計結果からは、5000人以上規模ならびに製造業で相対的に高い結果でした。なお、各テーマにおける階層別の導入状況を正社員規模、業種、業績でクロス集計をした結果については、集計結果が多岐に渡ることから、以下リンク先でご案内いたします。
特定課題連動型(全社)クロス集計

 なお、クロス集計結果について一覧で記すと以下のようになります。

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 とりわけ、特に階層別の導入状況は概ね製造業の方が非製造業より高くなっています。非製造業については、IT・パソコンスキル、コンプライアンス・リスクマネジメント、ビジネス関連法規などにおいては全社員一律で導入している割合が高いことが特徴的です。また、階層別教育の基幹となるテーマ(マネジメントスキル、ビジネススキル、経営戦略・マーケティング)について、業績好調企業(現在最高売上高企業)において、特に管理者層以上のクラスへの導入割合が高いことが特筆されます。

 特定課題連動型(全社)通信研修の企業事例については、下記サイトをご覧ください。
http://www.hj.sanno.ac.jp/cp/page/8625