築谷奈緒子
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 開発部 コンサルタント

「元谷さん」

 先輩の永塚さんの声だ。すぐに元気のいい返事をする。それだけ(?)が私の取り柄だし。

「はい! 何でしょうか?」
「この間のマーケティング研修のレポートなんだけど…」

 うわっヤバイ。一応、データはまとめてはあるけれど、報告書としては未完成だ。慌てて答える。

「あっ、すみません。来週までにはなんとか」
「いや、別に報告書は急いでないから。概ね好評だったというのは知っているが、“形成的評価”について、ちょっと聞いておこうと思って。詳しくなくていいので、概略を教えてほしい」

 “形成的評価”というのは、“ASTD LEARNING SYSTEM”の4章に詳しく出ていた。目標に対しての評価である“統括的評価”に影響を与える項目についての評価だ。私はデータを見ながら答える。

「だいたいは、事前の打ち合わせの想定から大きく外れるものではないんですが、ケーススタディーがあまりにピンポイント過ぎて、『現場の感覚とは違う』という意見が出ています。その分、講師の先生が、うまく補足の解説を入れてくれて、カバーしてもらえた、というところですね」
「そうか、あの先生は最先端の現場の状況を捉えるのに長けているからな。ケーススタディーは実はちょっと心配していたので、いい情報が得られた。次の営業研修の参考になる」

 少しは役に立てたようで、ホッとした。うん、日本語のまとめ資料の作成も身になってきてるんじゃないの!

 さて、次のモジュール6、“Managing the Learning Function”とは、これまであまり登場してきていない新しいテクノロジーの登場に合わせた人材開発部の仕事全般についてだ。

1章 ニーズアセスメントの技法とニーズの特定

    トレーニングのニーズアセスメントを行う主な目的
  • トレーニングのニーズを組織ニーズの文脈の中に位置づける。トレーニングは最終的にはビジネスニーズに貢献するときのみ価値がある
  • クライアントによって示された当初の課題を確認し補足する
  • 最終的なトレーニングのデザインが従業員のパフォーマンスを支援し、組織のニーズを満たすことを保証する
  • 組織および従業員のパフォーマンス上望ましいゴールの達成に影響するトレーニング以外の課題に関連した提案につながる
  • トレーニング機能が確実に残ることを支援する
  • 最終評価の基盤を確立する

    トレーニングのニーズアセスメントに含まれる7つのステップ
  1. 組織の内外を入念に調査する
  2. ビジネスニーズを特定するためにデータを収集する
  3. 潜在的なトレーニングソリューションを特定する
  4. パフォーマンス、学習、学習者のニーズを特定するためにデータを収集する
  5. データを分析する
  6. データの分析結果をフィードバックする
  7. トレーニングのデザインプロセスに移行する

※詳しくはモジュール1「学びのデザイン」の7章「アセスメントの技法とフォーマット」で扱っている