一色顕
リンクイベントプロデュース 代表取締役社長

 イベントを主催する担当部門や実際に企画する担当者にとって、頭が痛い悩みのたねの一つがイベントの“マンネリ感”ではないでしょうか?

 前回までのコラムで、社内組織の沈滞化や社員のモチベーションダウンといった課題を解決するために、意図的・計画的にイベントを事業活動・組織運営に埋め込んでいく「イベント・フォーカス・マネジメント」の考え方をお伝えしました。この「イベント・フォーカス・マネジメント」を実践することは、年に複数回、社員を集める機会を持つということ。ですから、イベントの“マンネリ感”は何としても避けなければならない課題となってきます。

 イベントのマンネリ感という課題を抱えた担当者は、それを打破する方策として特別な演出や手法、コンテンツといったものを求めがちです。もちろんそれらを変えることは一定の効果がありますし、時に重要なファクターとなり得ます。ただ、演出や手法といったものだけに頼り切ったマンネリ感の打破には、継続性がありません。人は強い刺激を与えると、その刺激に慣れてしまい、次はそれ以上の刺激を求め、際限が無くなってしまうからです。

マンネリ感を放置してはいけない

「工数や労力をかけてまで、イベントのマンネリ感を何とかしなければいけないのでしょうか。所詮、社内のイベントですし、コストは会社が払っているし…」。

 担当者の方から、ふとこんな本音を聞くことがあります。イベントのマンネリ感放置はアリでしょうか?

 答えはNoです。

 社内イベントは多くの場合、会社の費用で準備され、ある種「半強制的に」召集されます。自腹を切って参加する一般個人向けのイベントとは、この点が決定的に違います。基本的に、参加者は「ネガティブな心理状態」で集まってくると思ってよいでしょう。さらに、社内イベントの終了後に「クレーム」や「不満」の表出を行うことも力学的に困難です。アンケートを実施している企業も多いとは思いますが、一般消費者から取るアンケートと比べて、「クレーム」や「不満」が出てくる確率は低いと認識しておくべきです。

 この構造の中で、イベントのマンネリ感を放置しておくどうなるか。かなり高い確率で、会社へのロイヤリティが下がり、ワークモチベーションにも悪影響を及ぼします。本来、社内イベントの最終目的は、(直接的もしくは間接的には)組織へのロイヤリティや仕事へのモチベーション、仲間への協働・貢献欲求を高めることです。それを考えると、マンネリ感を抱えたままのイベント実施は、逆効果になりかねないリスクをはらんでいるのです。

 それでは、どうすれば良いのか?

 イベント・フォーカス・マネジメントでは、「イベントは企業経営や組織運営と密接に関わるもの」と定義しています。つまりイベントを考えるには、経営方針や組織風土、組織マネジメントの視点が必要です。今回は、この視点から本質的なイベントのマンネリ感打破について考えてみたいと思います。