吉岡太郎
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 取締役

 11月9日に、日経ビジネスセミナー「人材開発のプロ養成講座2012年秋」を開催いたしました。80名近くの方にご参加をいただき、具体的な事例に多くの方が熱心にメモを取っていらっしゃいました。アンケートでは

「来年度の新人研修を考えるために、参考になった」
「今まで自分たちがやってきたことを反省した」

などのご意見をいただきました。

 ヒューマンキャピタル Onlineでは、直前インタビューとして事例の一部をご紹介しておりましたが、続きとなる後半のインタビューをお届けします。今回は、「企業内教育における『21世紀型スキルを持ったグローバル人材の育成』」にご登壇いただいたシスコシステムズ合同会社の櫻井豊氏に、21世紀スキルと新人研修についてお伺いしました。アメリカ、日本と世界を通じて新人を育成するという取り組みについて後編をご紹介します。こちらの記事の続きとなります。

現場を知るメンバーで現実に近い研修を作る

吉岡:そのための取り組みについてお伺いしてよろしいでしょうか?

櫻井:はい。私がこの新人研修の取り組みを始めたときには、まず企画・運営側のチーム作りからスタートしました。

吉岡:「新入社員のチーム作り」ではないんですね?

櫻井:ええ。企画・運営をするメンバーはついこの間まで、現場にいた人間で構成しました。エンジニアも営業もです。そうすることによって、「市場では何が求められているのか」「お客様とはどのような会話がなされるのか」、また「そのためにどんな知識やスキルが必要になるのか」を現実にマッチさせることができます。

吉岡:確かに。人事や人材開発部の方とお話しさせていただいていると、その「現場でのニーズ」を捉えるのに苦労されていらっしゃいますから、その部分が最初からクリアできるんですね。

櫻井:最初は試行錯誤もありました。例えばベンダーさん任せですと、ケーススタディーも一般的な(ネットワーク関連でない)IT寄りのものになりがちです。しかし、現場をよく知っているメンバーで作れば、自社製品/技術に深く関連のあるものが作れます。また、ロールプレイの相手をすれば、お客様から頻繁に問われたりするリアルな「言葉」で進行ができます。ちょっと意地悪な質問なんかも含めてね。

吉岡:みなさんの経験をそのまま研修の中で伝えられると。

櫻井:そうです。ただ、各自の経験は皆違いますから、ロールプレイなどで誰が相手をするかによって学びが異なっては困るので、事前にプロトコル(このように新人が言ってきたら、こう返すという決まりごとなど)は綿密に擦り合わせをしました。また、チームで提案を考えさせるコンペ形式のものでは、これも事前に採点基準をしっかり作り、ブレがないようにしました。