監修:倉重英樹
株式会社シグマクシス 代表取締役会長
ビジネスプロセス革新協議会(BPIA) 会長

 活き活きした会社の作り方研究会の第8回目のテーマは、活き活きとした会社にするためにはどのようなオフィス環境や形態が必要なのか。いまやオフィスは単に従業員が働くための器という存在ではない。経営の考え方を発信するための器であり、社員のモチベーションや生産性向上をサポートし、企業のブランディングをする上でも非常に重要な役割を担うものである。では、社員が活き活きと働けるオフィスとはどんなオフィスなのか。日本の「オフィス改革」に取り組んでいる明豊ファシリティワークスの大貫美常務が、同社が手がけたオフィスの事例を中心に解説した。

 今回、大貫氏が紹介する事例の中には、自社の新オフィスも含まれている。明豊ファシリティワークスは2011年9月に本社を移転。新しいオフィスには、同社がこれまで培ってきたオフィス作りのノウハウが詰め込まれている。講演に先立ち、メンバーはオフィスを見学。管理系部門以外の社員は自席を持たないフリーアドレス制をはじめ、顧客への提出資料以外は紙への出力をしないペーパーレス、最新会議設備の導入など、デジタルな働き方を実践している。大貫氏の講演内容は以下の通り。

明豊ファシリティワークスが提供するCMとは

 明豊ファシリティワークスは、コンストラクションマネジメント(CM)方式を活用し、オフィス作りやビル・工場・駅舎などの建設プロジェクトにおいて、コンサルティング、デザイン・設計、査定、施工監理、引越し、保守などのプロフェッショナルサービスを提供している会社である。CM方式とはCMR(コンストラクション・マネジャー)が技術的な中立性を保ちつつ、発注者側にたち、基本計画や設計の検討、工事発注方式の検討、工程およびコスト管理などを代行するマネジメント手法である。

 なぜ、CMが求められるのか。その背景にあるのが、コスト構成の透明化およびコスト低減、発注者の満足感・納得感の向上である。例えばビルの改修工事をゼネコンなどが一括して請け負うと、そこで発生しているコストはどういう種類のコストが積み上あがったものなのか、顧客側は見ることができない。しかし、プロがCMで入れば、それらがどういうコストが作られているのかを明らかにできる。これによりコストの透明化と低減化が図れるというわけだ。また基本計画から入ることになると、お客様が作りたいものの青写真を作り、プロジェクト化するところから手伝うこととなり、設計者や工事会社の選定をサポートできる。このようなサービスを提供した代価として、当社はCM手法の採用時点で確定した固定フィーをいただいている。あとは顧客の立場に立ち、顧客が本当に望むものができるよう、その目標に向かい共に走っていくのみである。私たちが最終的に目指しているのは、お客さまのプロジェクトに対する満足感、納得感が得られることだ。

 このようなビジネスモデルを採用していることももちろんだが、当社の競争優位の源泉は、プロジェクトマネジャーが自身の持つ専門性をストレスなく、スピーディに発揮できるように以下の仕組みが整備されているからである。

  • 情報の可視化
  • 隠し事のない経営
  • 本物のプロに学ぶ組織
  • 組織全体の倫理観・ひたむきさ

 これらの仕組みは当社がシグマクシスをはじめ、さまざまなオフィスを多数、手がけてきたからこそ整備できたものである。