一色顕
リンクイベントプロデュース 代表取締役社長

 身が引き締まる想いの入学式や卒業式、心ワクワク躍る修学旅行、達成感と安堵感に溢れる文化祭の打ち上げ、喜びと感動に満ち溢れる結婚式、心新たにする初詣出 ―― 。

 人は多かれ少なかれ、このような様々なイベントを“きっかけ”に色々な思いを巡らせ、意識を切り替えたり、気持ちを入れ替えたり、としてきたことでしょう。そして、そのきっかけには、つねに「場」がついてくるようです。皆さんの記憶にあるきっかけには、常に場のワンシーンが甦ってくるのではないでしょうか?

イベントとは変わる“きっかけ”となる「場」

 イベントという単語は、様々なシーンで、様々な意味で用いられています。ここでは、イベント=変わる“きっかけ”となる「場」、と定義します。

 企業経営においても、意識的・無意識的にイベントがあり、変わる(変える)きっかけとなる場はたくさん用意されています。入社式や表彰式、年始キックオフなどはイメージしやすいイベントでしょう。また、社員旅行や社内運動会、大掛かりなものでは、企業創業からの周年を祝う式典や新オフィスの竣工式などもあげられます。逆に小さなところでは、週初の朝礼や月次の納会、プロジェクト単位の打ち上げ、といった小集団での集まりも“きっかけ”の「場」として十分に機能します。

人も組織も時間の経過と共に必ず沈滞化する

 人も組織も何もしなければ時間の経過と共に必ず沈滞化する習性にあります。モチベーション高く入社した新入社員も、入社後ほったらかしにしておくと3カ月後には、間違いなくそのモチベーションは下がっています。企業組織においても同じです。少し極端な例ですが、創業メンバーの強い決意と高いコミットメントで始まった会社であっても、何の工夫もせずに同じモチベーションを保ち続けることは至難の技でしょう。

 企業組織は、職務による「機能分化」と立場による「階層分化」を包含した組織システムです。例えば3年スパンで会社の経営課題に取り組む経営の上位層と、月の営業目標を最重要課題として動く営業パーソンでは、見ている視界・時間観は必然的に異なります。これは極端な例ですが、大なり小なり組織には、役割や立場の違いからくる視界のズレや時間観のズレが存在しており、時間の経過と共にそのズレは大きくなります。このズレを放置しておくと、組織における「共通の目的」が見えなくなり、相互不理解による協働意思の停滞、組織に対するロイヤリティやモラルの消失、といった症状を招き、確実に組織の沈滞化、モチベーション低下が進むという結果を生んでしまいます。