築谷奈緒子
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 開発部 コンサルタント

「そんなの当たり前だろ」

 永塚さんから冷たく言い放たれるかと思っていた。でも、意外や意外、

「元谷さんにしては、よくまとめてあるし、理解もできている感じだな。ありがとう」

なんて、フィードバックをもらった。まあ「元谷さんにしては」は余計だけどね。

 今、私は“ASTD LEARNING SYSTEM”という、アメリカのASTDという団体が出している“人材開発のプロとしてこれは最低限知っておくべき”ことをまとめた本(9モジュールもある!)の、日本語のまとめ資料を作っている。やっとモジュール1「学びのデザイン」 ― “Designing Learning” をまとめ終わったところで、永塚さんに報告したら、そんな、らしくないフィードバックを頂戴した、というわけだ。全部英語だし、はじめは正直、まったく気が進まなかったけれど、内容が理解できてくるとどんどん面白くなってきた。

「英語じゃなかったら、もっと面白いと思うんですけど」

 永塚さんに聞こえるとでもなくつぶやいたら、

「だから、日本語の資料を作ってもらってるんだろ」

と返ってきた。ええ、ごもっともです。

 次のモジュール2は「研修の実施」-“Delivering Training”。研修の実施というと、プレゼンテーションが一般的な言葉で使われるけれど、インストラクション、ファシリテーションという言葉もある。パラパラと中を見ると e-learning のことにも触れられている。それから、何か研修の中身を「提供する/お届けする」っていう感じで“Deliver”という言葉が選ばれているのかなあ…。そんなことを考えながら、第1章の「成人学習理論と技法」 ― “Adult Learning Theories and Techniques”から読み進め始めた。

1章 成人学習理論と技法

    レヴィン K. Levin
    『よい理論ほど実用的なものはない』

    ※詳しくはモジュール1の1章で扱う

2章 インストラクショナルデザイン理論とプロセス

    ADDIEモデル
  1. Analysis:分析
  2. Design:設計
  3. Development:開発
  4. Implementation:実施
  5. Evaluation:評価

    その他のインストラクショナルデザインモデル
  • Seels and Glasgow
  • Smith and Ragan
  • ※詳しくはモジュール1の2章で扱う

3章 インストラクションの手法

    インストラクションの手法の例
  • 講義
  • グループディスカッション
  • ロールプレイ
  • シミュレーション
  • ケーススタディ

    適切な戦略を左右する要因
  • 学習の種類(知識と認知スキル、精神運動スキル、態度)
  • 聴衆
  • プロフィール(年齢、性別、教育レベル)
  • 学習スタイル(運動感覚、視覚、聴覚)
  • 学習者の人数(個人、小規模グループ、大規模グループ)
  • メディア(適切さ、学習者の人数、財政的な配慮によって選択される)
  • 予算(プレゼンテーションと同様に開発にも使用可能な資金)
  • 物理的な場所(集合、分散、特別)
  • トレーナーのスキルと研修スタイル
  • ※詳しくはモジュール1の3章で扱う

 これは、モジュール1の内容を復習しろ、ということなんでしょうか。そういえばモジュール1でも後半は「詳しくはモジュール4で」とか「詳しくはモジュール6で」とか多かったなあ。