渕野康一
東洋学園大学 現代経営学部 客員教授

 前回は「能力」「マネジメント」「組織」という3つの視点から「リーダーシップ」を多面的にみて、「リーダーシップ」の本質、要件、定義を明らかにしました。少し時間が空きましたので、まずは前回のおさらいから。

「リーダーシップ」の本質
 まず「リーダーシップ」の本質は、ある方向(道)を決めること、つまり、明快な目的と目標を決めて明示することです。これを方向付け力、あるいは決断力と呼ぶこともあります。経営(マネジメント)における意思決定とは、複数の選択肢の中から、明快な目的と目標を決め明示することです。

「リーダーシップ」の要件
 方向や目標を決めても動かなければ、決めた意味がありません。決めた方向に向けて自ら動く、そして人を動かせることが重要です。「リーダーシップ」の3大要件は次のとおり。

(1)方向を決める … 明快な目的・目標(方向)を設定できる能力
(2)自ら動く … 率先垂範して実践(実行)できる能力
(3)他を鼓舞する … 達成・貢献意欲を高め、人を動かせる能力

「リーダーシップ」の定義
 リーダーシップの本質を押さえながら「リーダーシップとは何か?」を緩やかに定義すると次のようになります。

  1. 対人影響力(広義)
    リーダー(立場や役職)であるなしにかかわらず、対人関係上、誰しも必要となる能力
  2. 指導力(狭義)
    ある方向(道)へ指導(先導)する能力。主としてリーダー(指導者)に求められます

 今回から「リーダーシップ」の本質と要件を踏まえながら、これから元気の出るリーダーシップをさらに伸ばす方法、能力としてのリーダーシップを高める方策を各論で具体的に探求していきます。