監修:倉重英樹
株式会社シグマクシス 代表取締役会長
ビジネスプロセス革新協議会(BPIA) 会長

 活き活きした会社の作り方研究会ではこれまで、その代表としてシグマクシスの事例を取り上げ、その仕掛けや取り組みを調べてきた。最終回の今回はナレッジマネジメントである。シグマクシスでは「社員=プロフェッショナル=人財」と位置づけてマネジメントしている。では、プロフェッショナルを支えるため、どのようなナレッジマネジメントの仕組みを用意しているのか。ナレッジマネジメント部ダイレクターの内山その氏が解説した。内山氏の講演内容は以下のとおり。

学習意欲が活性化される職場とは

 人は「学ぶ」生物である。赤ちゃんは生まれた瞬間から乳を吸おうとするし、立とうとする。人は「何かを学ぶ」という本能を持っているから、その本能を満たされる環境であれば活き活きと働くことができる。そして、活き活きと働ける仕事場には人が集まるものである。

 学習意欲が活性化される職場とは何か。重要なのは、プロフェッショナルの成長・学習を奨励する風土とメカニズム、そして学習の成果を集積、共有し、活用するメカニズムを持っていることである。それによって、一人ひとりの成長が促進されるだけでなく、組織も成長し、個人も組織もそれぞれ力を高めていくというWin-Winの関係性を築けるのである。このような学習する組織「Learning Organization」を目指して、私たちはシグマクシスを作ってきた。

 「Learning(ラーニング)」の意味は「The process to gain knowledge or skill by studying, from experience, from being taught, etc.(教えてもらったり、勉強したり、経験したりして、スキルやナレッジを得ていくプロセス)」(オックスフォード英英辞典)。したがって私たちが考えているラーニングの方法はさまざまだ。

● クラスルームで学ぶ
 ・社内のコースや社外のコースで学ぶ
● 新しい知識・視点に触れる
 ・本を読んでまとめる
 ・外部セミナーに参加する
 ・現場を見る
● プロジェクトで学ぶ
 ・お客さま、メンバー、ビジネスパートナーから学ぶ
● 発表する(まとめる・共有する)
 ・プロジェクトや社内セッション、社内外コース、外部のセミナー、メディア・書籍
● 人に会う
 ・お客さま、ビジネスパートナー、外部団体、異業種/異世代、学者・専門家)
● 人の知恵を使う
 ・データベース(ガートナーリサーチや日経テレコンなどを使いリサーチする)
 ・人的ネットワーク(教えてもらう)
 
 ここで、能力開発のステップを考えてみる。まずは「なりたい姿」を思い描き、そこに向かって

「知識をつける」→「実践する」→「成功する」→「習慣化する」

というステップだ。私達は、このプロセスのスピードを早める手段が「ラーニング」だと考えている。ラーニングにより成長スピードの速さを実感できると、人は自らの成長で嬉しくなったり、新しいことができるようになって楽しくなったりする。そこにモチベーションの高まりが生まれるのだ。その成果を組織内で共有する仕組みがあれば、組織全体の品質や創造性がアップし、本人が成長するだけではなく、会社も成長する、という関係が生まれる。