船見真鈴
マイカ ヒューマンラボ 代表取締役

「あなたは、心から楽しいと思える時間、ワクワクする時間を持てていますか?」

 この質問に、自信を持って「はい」と答えられる人は、意外に少ないのかもしれません。

 ある企業でカウンセリングしたときのこと。40代の管理職の男性は、日々忙しく働きながらも、カメラやマラソンなど趣味を複数持ち、生活も楽しんでいると話してくれました。しかし、続けてこう言ったのです。

「でも、なんだか空虚感のようなものがあるんです。趣味をやっている時間はそれなりに楽しい。でも、心から楽しいと思っているかというと、そうでもないんですよね…」

心から楽しんでいる人は意外と少ない

 これまでたくさんの方のカウンセリングをし、生活習慣や趣味などについてのお話も伺ってきました。しかし、「趣味は特にない」「休日は寝ているだけ」「楽しみはお酒を飲むこと」と答える方がとても多いことが気になっていました。

 さらには前述の男性のように、趣味を持ってはいるけれど心から楽しめているかどうかわからないという方もときどきいらっしゃいます。ストレスマネジメントのために、休日に趣味を楽しんだり運動をしたりすることはとても大事です。趣味を楽しむ時間は気分転換になり、仕事で少々嫌なことがあったとしても気持ちを切り替えることができます。運動の継続はリフレッシュになるだけでなく、脳の活性化につながり気分がよくなります。しかし、それが心から楽しいことでなかったら、本当の意味でのメンタルヘルス対策になってはいないのかもしれません。

 また、寝ることは疲れやストレスを取るためにとても大切ですが、休日にずっと寝ていると逆に疲れてしまうこともあります。お酒を飲む時間は楽しいものですが、嫌なことを忘れるために飲んだり、惰性で飲んだりするのは、いいお酒とは言えません。40~50代の男性の中には、毎日飲むという方もちらほらいらっしゃいますが、その習慣がアルコール依存症を招くかもしれません。

 このように、趣味を心から楽しみ、その楽しみについて嬉々として語る人には、実際のところなかなか出会えないのが現実です。