監修:倉重英樹
株式会社シグマクシス 代表取締役会長
ビジネスプロセス革新協議会(BPIA) 会長

 第5回目のテーマは「経営の可視化」。多くの企業が経営の可視化に取り組んでいるが、なかなかうまくいっていないことも多い。ではシグマクシスではどのような目的、方法、仕組みで可視化に取り組んでいるのか。そして経営の可視化に取り組んだ結果、どんな効果が得られたのか。シグマクシスの郡のぶ氏が解説した。郡氏の講演内容は以下のとおり。

ビジネススピードの向上に欠かせない

 なぜ経営の可視化が必要か ―― 。現在のビジネス環境は従来の工業社会から知識社会へと変化している。変化が激しく予測困難なこれからの社会において、企業が持続的成長をするためには「モチベーション」「イノベーション」「スピード」が重要になってくる。これまでの講演では、「モチベーション」「イノベーション」が生み出される仕掛けについて述べてきた。今回のテーマである「経営の可視化」は、変化の兆しを捕らえて即反応する「スピード」を上げるための仕掛けである。

 スピードを上げる要素には「ビジネスプロセス」「デシジョン」「コミュニケーション」の3つがある。納期についての回答や顧客に対する応答を例にあげれば、質問されたその場で回答や応答できると、その仕事はそこで完了する。当然のことながら、ビジネスプロセスは無駄がなく短い方がスピードは速くなる。また時間のかかるビジネスプロセスのスピードアップを図る場合は、「そのプロセスを変更する」というデシジョンが必要になる。そしてその成果としてスピードアップを実現するには、経営と現場が血の通ったコミュニケーションを行い、具体的な各論だけではなく背景、目的も含めて全員が共有しなければならない。経営の可視化は、この3つの要素の中でも、「権限委譲を通じてデシジョンスピードを上げる」という側面で大きな効果を発揮する仕掛けと言える。