船見真鈴
マイカ ヒューマンラボ 代表取締役

 「七五三現象」という言葉があります。就職して3年以内に離職をする人の割合が、中卒が7割、高卒が5割、そして大卒が3割であることから造られた言葉です。ここ10年ほど、この割合は変わっていないようです。不況になり、若者の安定志向が強くなったと言われていますが、それでもなお若手の離職率は高いままです。

 離職の大きな理由として、ミスマッチがあると言われています。実際に企業で若手面談をしていると、仕事に違和感を感じて悩む人たちが多いことを感じます。

「親や教授に勧められてなんとなく入ったけれどこんなはずじゃなかった」
「有名な会社だから入ったけれどこんな会社だと思わなかった」
「思っていた仕事と違った」

などなど。現状に違和感を感じる理由はさまざまですが、会社や仕事が自分に合っていないかもしれないと感じている人は少なくないものです。

期待が大きいほどがっかり感も大きい

 そして、そういったミスマッチ感は、メンタル不調の原因にもなります。毎日違和感を感じながら、多くの時間をその仕事に費やしているわけですから、ストレスになるのも当然です。

 先日カウンセリングをしたAさん(入社2年目、男性)も、そんなひとり。見るからに元気がなく、表情も沈みがちでした。

 IT企業に入社したAさんですが、本当は得意の英語を生かした仕事がしたかったと言います。現在の会社でも英語を使えると見込んで就職を決めましたが、入ってみたら全く違う部署に配属になってしまいました。決められたことだからと頑張ってきたのですが、どうしても英語への夢を忘れられず、悩み続けてきました。仕事にも身が入らず、ミスをして上司に叱られ続けています。徐々に自信を失い、意欲も薄れてきてしまいました。常に仕事のことで悶々と悩み、夜も眠れない。友人と会う気にもなれず、休日は家で寝ているばかりです。

 彼のようなケースは、読者の皆さんが思っているより多いのです。確かに、たとえ希望した会社に入れたとしても、必ずしも希望した部署に行けるわけではありません。しかし、期待が大きいほどがっかり感も大きくなります。