船見真鈴
マイカ ヒューマンラボ 代表取締役

 このコラムで以前も書きましたが、メンタルヘルスやストレスに関する理解はこの数年で徐々に深まってきたものの、まだ偏見や誤解が強く残っていることは確かです。カウンセリングを受けることに強い抵抗感を抱いていたり、精神科や心療内科に行くことをためらったり…。心の病気になる人は弱い、あるいは特別な人だと思っている方も少なくありません。精神科や心の病気と聞くと、昔の映画に出てきた“鉄格子”のようなイメージが浮かんでくる人が多いのでしょうか。

 企業研修で心の病気について説明をすると、受講者の方々が一斉にペンを持ってメモをする場面があります。それは、「心の病気は、脳機能障害です」と話したとき。この事実をご存じない方がまだ多い証拠なのでしょう。“心の病気=気持ち”の問題ととらえている人が多いようですが、そうではないのです。メンタルヘルスに対する誤解を解く、Part2。今回は病気について解説します。

うつ病も脳機能の障害が引き起こす

 例えば、この数年、急激に患者数が増えているうつ病。うつ病は心の病気のひとつですが、実は感情や考えを司る脳機能に障害が起こる病気です。ストレスが多大にかかることによって脳の神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリンが減る、あるいは流れがスムーズにいかなくなることが、そのメカニズムだと言われています。セロトニンは気持ちを安定させ、ノルアドレナリンはやる気を出させる作用がありますから、体だけでなく気持ちの面にも変化が起こるのです。下のような症状が出るのが特徴です。

うつ病のサイン

  1. 悲しく憂鬱な気分が一日中続く
  2. 好きなことに興味がわかない。何をしても楽しくない
  3. 食欲が減ったり増えたりする
  4. 眠れないまたは眠りすぎる
  5. イライラする、怒りっぽくなる
  6. 疲れやすく、やる気が出ない
  7. 自分には何の価値もないと思う
  8. 集中できない、決断できない
  9. 死にたい、消えてしまいたいと思う

 上記の項目のうち1か2を含む5つ以上あてはまる状態が、2週間以上続いていれば、うつ病の可能性があります。すぐに医療機関を受診してください。