入江倫成
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 取締役

 これから合計5回に渡って、2011年10月28日に実施した「人材開発のプロ養成講座」の内容を「登壇者への振り返りインタビュー」という形式でお伝えいたします。当日は155名もの企業内人材開発担当者・コンサルタントの皆様にご参加を頂き、事後アンケートを拝見しても「まさに今困っている課題」に対して適切な情報提供ができたように感じております。当日ご参加された方は「プレゼン内容の振り返り」に、業務都合で出席が難しかった方は「当日のプレゼン内容の概要把握」を目的としてお読み頂ければと思います。

 第1回目の今回は、「経営陣と人材開発に関する“実りある”話をするコツ」をテーマにプレゼンをして頂きました、フリービット戦略人事部リーダーの塩川太嘉朗さんにお話をお伺いいたします。

“実りある話”と“実りない話”

入江:プレゼンのタイトル「経営陣と人材開発に関する“実りある”話をするコツ」に込めた塩川さんの意図から教えて頂けますか?

塩川:今回の私のプレゼン内容は、人材開発の業務範囲で言うと上流の企画工程に関するものでした。経営陣と「こんなことやりましょう」とか、経営陣から「こういうことをしてくれ」と言われるフェーズの話です。私のこれまでの経験上、このフェーズでの会話は難しく“実りのない”ものになりがちです。ですから他の皆様も同様に困っているのではないかと思い、このタイトルを付けました。また人材開発ニーズの起点には経営陣だけではなく現場もあります。「現場と人材開発に関する“実りある”話をするコツ」と言い換えても構いません。

入江:“実りのない”話とは具体的にどんな話ですか?

塩川:これはどこの会社でも同じだと思いますが、経営陣から言われるのは粒度の大きいテーマ(例 若手のリーダーシップを強化しろ)だったり、表面的な事象に対する手段(例 残業が増えているようなのでタイムマネジメント研修を検討しろ)です。経営的観点からの指示ですから、これは当たり前のことです。この時に、「経営陣に対して適切な質問ができず、結果として経営陣が本当に解決したいことが分からない、必要な情報収集ができない」ということが、私が具体的に経験してきた失敗です。

フリービット株式会社
塩川 太嘉朗(しおかわ・たかお)
戦略人事部リーダー
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、組織・人材開発コンサルティング企業にて、主に食品・製造・金融業界のコンサルティングに従事。同社に勤務する傍ら、慶應義塾大学SFC研究所にて上席所員を兼務し、慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科にて修士号(組織行動論)を取得。2010年より現職。主に経営戦略の遂行を支援する人材を育成するためのしくみづくりや研修コンテンツの開発、インストラクション・ファシリテーションを行っている。