渕野康一
東洋学園大学 現代経営学部 客員教授

 今回は、人生も仕事も面白くする「面白主義」を実践する「面白まじめリーダー」の第3の行動特性である「かんかん」(まず感じて次に考える)について、特に「感じる力」を高める具体的方法、実践事例を中心に紹介します。

 「感じる力」がないと、人生も仕事も面白くなりません。「面白い」と感じるのは、まさに「感じる力」に拠るのです。「感じる力」が弱くなると、「考える力」も低下することは前回申し上げたとおりです。部下や若者から信頼・尊敬される「面白まじめリーダー」は、まず感じて次に考える。つまり「かんかん」人間でもあります。「感じる力」を重視する「かんかん力」を伸ばすことこそ、「面白まじめ」と「あたきび」の行動特性を伸ばす基礎であり土台なのです。

 私も日頃、「かんかん力」を高める方法を実践しています。その方法はたくさんあります。さらに「面白工学研究会」で、「かんかん力」を高める方法をいろいろと研究開発しています。今回は「かんかん力」の中で「感じる力」を高める基本的な実践方法を5つ紹介します。

「ありがとう」は一石二鳥の効果

実践方法1:「ありがとう」の一言を必ず付け加える

 「感じる力」を高める第一歩は「感謝する」こと。ですから、この感謝から始めましょう。

 感謝するとは感じることです。何事も当たり前と思ったとたんに、感謝する心を失います。むしろ不平、不満の心がどんどん湧いてきます。私の経験上、感謝する心を失うと、「感じる力」も鈍くなります。世の中のすべてのことが実は「ありがたい」ことなのです。

 感謝する心を表す、実践するには、ともかく「ありがとう」とか「おかげさま」の一言を日常生活で惜しみなく使うことです。「ありがとう」と言われて、相手が不愉快になることは滅多にありません。むしろ言われた方は嬉しいのです。役立っているという実感が持てるからです。「ありがとう」や「おかげさま」は相手の存在価値を高める言葉、つまり「ストローク」なのです。「ありがとう」の一言を必ず付け加えることを習慣化することによって、「感じる力」は着実に伸びます。「ありがとう力」は「感じる力」を高めるとともに、人間関係もよくするという一石二鳥の効果があるのです。