リップシャッツ 信元 夏代
アスパイア・インテリジェンス社 代表取締役

 昨年は、ファーストリテイリングや楽天など、英語の社内公用語化が相次ぎ、大きな話題となった。英語公用語化の目的について、ファーストリテイリング柳井会長兼社長は「日本の会社が世界企業として生き残るため」、楽天の三木谷社長も「世界企業に脱皮するには英語が必要」と説明している。いずれも企業の海外展開にはグローバルに通用する言語の共通化が不可欠との判断がされたようである。

 こうした取り組みは、グローバル環境に耐え得る人材と仕組みづくりのための第一歩として評価できる。ただし、言語の問題はあくまで第一歩であり、超えなければならないハードルはまだまだ多い。では、多様性の高いチームを率いるグローバルリーダーとして、成果を挙げるグローバルチームへと育成していくためには何が必要なのだろうか。

コミュニケーション障害の原因は言語以外にもある

 コミュニケーション障害は、メンバーが使い慣れた言語が異なるために発生すると考えられがちだが、それだけではない。米マサチューセッツ工科大学(MIT)が2001年に58のグローバルチームに対し、「グローバルチームにとって重要である課題」、そして「難易度が高い課題」について調査したところ、両者ともに上位となったのは、

「メンバー同士の信頼関係を構築する」
「コミュニケーションの障害を乗り越える」

という二つの課題であった。つまり、コミュニケーションの障害の大きな原因は言語の違い以外にもある、ということなのだ。