桐生 純子
Feel Communication 代表取締役

 震災以降、私たちの生活の中に「つながり」「思いやり」「力を合わせる」「絆」という言葉がたくさん行き交うようになりました。

 私は研修の始まりの時に、枕詞のようにお伝えしていることがあります。

「今からお話することや課題として取り組むことは、ご自分の現場で活かすためには“自分の日常とどうつながるか”と捉えて下さい」

ミスコミュニケーションが起こる理由

 読者のみなさんは、研修内で行われることが「研修の課題をこなす」という参加の仕方では何の意味もないことはご存知だと思います。厳しいことを申しますと、「命じられて参加している研修」「こんなことしているくらいならアポ取りしたい(ホントにいます、こういう残念な方)」という気持ちがほんの少しでもある方は、決まって「面白くない、明日から役立たない時間の過ごし方」で終わります。私たちは気づきから成長を得ますから、何度同じ研修に参加したとしても「新しいがある」という人ほど知識を行動に変えることができる人なのだと思います。

あなたにとって【研修】はどんな印象があるのでしょうか?

 そんなことがチーム内で、組織内で気軽に話し合えたら、研修に対する思いも姿勢も変わってきそうな気がしませんか。

 研修の中で“ミスコミュニケーションが起こる理由”を実際にペアワークやグループワークで体験してもらいます。これを幾つか行うことで、一人ひとりの中で自分自身の日常の職場内でのコミュニケーション場面のイメージがよみがえるものです。「同じ言葉(話)」を聞いている皆さんの様子が、ある時点を越えたあたり変わります。メモを取ったりうなずいたり、目を閉じながら考えたりするタイミングがそれぞれに違ってきているのが前(講師側)から拝見していると、ハッキリわかります。そういう方からは、「自分ごと」として捉えて下さっていることがとてもよく伝わってきます。

 講師は、もちろんそのようなリアクションを見逃すことはありませんから、気付きを伺ったり意見を仰いだりします。すると、「今まで気にしないようにしていたメガネの曇り」を必死にふき取るかのように、ご自分の職場で起こっていることをお話して下さる方がいらっしゃいます。相乗効果とはまさにこのことです。

「え!?そんな風に考えていたなんて」
「そこが問題だとは気がつかなかった」
「そういえば前にそんな事を言われたのは・・・」

 こうした反応が後に続き、思いもよらぬ「相互理解」が生まれるのです。