渕野康一
東洋学園大学 現代経営学部 客員教授

 人生も仕事も面白くする「面白主義」を実践する「面白まじめリーダー」の行動特性は、次の3つです。

1.「面白まじめ」(面白いことをまじめに、まじめなことを面白くする)
2.「あたきび」(温かく厳しく)
3.「かんかん」(まず感じて次に考える)

 今回は、「面白まじめリーダー」の第2の行動特性「あたきび」について、解説と「あたきび」になる具体的な方法を紹介します。

「あたきび」とは?

 まず、「あたきび」とは「温かくて厳しい」の略称です。この名称は私が勤務する東洋学園大学の学生が命名してくれた名称です。前回の「面白まじめ」と同様に、この「あたきび」も「温かい」と「厳しい」は正反対の意味ではありません。つまり「反対語」ではないのです。「温かい」の反対は「冷たい」。「厳しい」の反対は「甘い」です。

温かい ⇔ 冷たい
厳しい ⇔ 甘い

 では、何が一体「温かい」「冷たい」のでしょう。これは人間としての温もり、人間性としての「体温」のことです。あるいは他者に対する愛情の有無とも言えるでしょう。

 次に、ここでいう「厳しい」と「甘い」とは何に対してでしょう。これは人生や仕事に対する取り組み姿勢を主に指しています。同時に自分に対して、他者に対しての向き合う姿勢も含んでいます。したがって「あたきび」(温かく厳しい)とは、人間としては「温かく」、取り組み姿勢としては「厳しい」ことを意味します。「面白まじめリーダー」は、この「温かさ」と「厳しさ」という2つの行動特性を絶妙に使い分け、バランスをとるのが上手な「あたきび」人間なのです。

 この「あたきび」と対照的なのが、図2の反対軸にある「つめあま」です。「つめあま」とは、人間的には冷たく自分のことしか頭になくて、そのくせ人生や仕事に対しては甘いことです。その他、「あたあま」は一見良さそうですが、温かい人だけど仕事に対する姿勢が甘く、自分も他人も甘やかせてダメにしてしまいます。「つめきび」は自己本位の冷たい人間で、かつ仕事に厳しい人です。こんな最悪の上司につくと、気の弱い部下はすぐにメンタルヘルスのお世話になるか、転職してしまいそうです。