桐生 純子
Feel Communication 代表取締役

 会社、組織、チーム…様々なスタイルで仕事の現場は動いています。どれにも共通しているのは、日頃のコミュニケーションの質によって仕事の生産性も雰囲気も大きく変わるということです。

 以前は、社内のコミュニケーションの難しさの代表といえば「上司と部下のコミュニケーション」でした。しかし最近では、現代社会の特徴である「隣は何をする人ぞ」の傾向が、(完全ではないにしろ)会社の中でもそれでよしとされてきているように思います。でも、本当にそうなのでしょうか?

 社内の人間関係のなかで、「孤独」が原因で“こころ”の不具合を起こす人が増えています。会社としてさらに重大な問題に発展してしまうケースは決して珍しくありません。ということは、私たちは心のどこかで「個々であることの気楽さ」とは反対のことを感じているのではないでしょうか。それは、同じ空間の中にいながら、同僚なのに「隣のことがよくわからない」ことに対しての居心地の悪さや窮屈さ、そして不安です。

 社内のコミュニケーションを円滑なものにするためには、縦の関係があるのと同時にメンバーとの横のつながりの円滑さも重要です。そして、この横のつながりが、想像以上に“こころ”にも仕事の生産性にもとても大きく影響しているのです。

目の前にいる相手の言葉をきちんと聞き取っていますか?

 さて、基本的にコミュニケーションとが取れているという状況は、お互いの「情報の共有」「自己理解と他者理解」があることを指します。そのためには、自分のことを積極的に伝えることも必要ですし、相手に対しても関心を持つということが必要不可欠です。

 ところが、先にも書きましたように「隣はなにを…」の職場環境の中では、相手に関心を持つことよりも「事柄」や「書類」などを間に挟んだやり取りにとどまってしまいがちです。すると、仕事上のトラブル、人間関係を含めミス・コミュニケーションが発生した時に、つい解決のための“方法”にばかり気持ちがとらわれて、お互いに目の前にいる相手の言葉をきちんと聞き取ることができないのです。結果、「行き違いの本質」を理解しあうまでに時間がかかってしまうのです。