入江倫成
株式会社 IPイノベーションズ ビジネス ディベロップメント パートナー

 今回は、株式会社ECナビ 人事本部で本部長として活躍されている後藤尚人様にお話をお伺いいたしました。

 ECナビは、会社名と同名の「ECナビ」という価格比較サイト(一般消費者向けに様々な製品・サービスの価格比較を一覧できるサイト)を運営している会社です。1999年に創業したWEB系のベンチャー企業ですが、現在では売上げ73億2,400万円(2010年9月末)、アルバイトも含めたスタッフは260名(2010年10月末)にのぼるまで成長している企業です。

自社ビジネスの最前線の情報は“自動的に”共有される

入江:これまでのビジネスの変化を教えて頂けますか?

後藤:創業期は様々な懸賞情報のポータルサイトを運営していました。現在の主力ビジネスであるショッピングの価格比較サイトを始めたのは2004年になります。このビジネスが収益の柱として定着し始めてから、会社としても様々なチャレンジができるようになりました。現在はネットリサーチのビジネスをはじめとした様々な関連ビジネスが育っている状況です。会社として次にサービス展開を図りたいのはモバイル系の領域になると思います。

入江:組織という観点からはどのような変化がありましたか?

後藤:初期の組織は職能別で営業部門、エンジニア部門という形で分かれていました。ベンチャー企業がスタートアップする時期ですので役割分担を厳格に決めていたわけではなく、それぞれの社員が機動的に対応していました。しかしそれでも部門を分けてしまうと、徐々にセクショナリズムのようなものが発生してきました。本来なら勢いのあるベンチャー企業の強みであるはずの、活気や情報共有の質などが低下してきてしまったんです。そこで現状は、事業単位の組織構成に変えました。自分たちの強みであるスピードを活かしながら組織の質を高めていくには、今のところは現状の組織形態の方が合っていると思います。

入江:今回のインタビューのテーマは「経営戦略と人材開発戦略をどのように連携させているか」です。まず、後藤様は経営戦略に関する情報はどのように収集されていますか?

後藤:どのような情報も、社員数が比較的少ないということもあると思いますが、基本的には自然と降りてくる環境ですね。月に1回全社会議などのミーティングの場があったり、グループウェア上に他人が見られない個人対個人の掲示板が設定できたり。そういったコミュニケーションチャネルから最前線のビジネス情報や現場課題は常に共有されています。

 それに加えて収集するという能動的な行為も行いますが、それはダイレクトにその社員と会話をする機会をつくるのが一番ですね。面談などの手段の他に業務時間終了後に飲みに行くことも意識的に行っています。飲みに行ってもほとんど仕事の話をしていますしね。もっとも、オフィスフロアでも気軽に話しかけられる雰囲気はありますので、情報収集にそれほど苦労はしていないです。

株式会社ECナビ
後藤尚人(ごとう・なおと)氏
人事本部 本部長
ミニコミ誌(発行部数40万部)の記者や大手人材開発コンサルティング企業での営業職を経て、2004年にECナビに入社。採用・育成・評価などの人事全般の領域を担当し、現在は本部長として全体を統括している。